3月24日は世界結核デーで、これは1882年のこの日、ロベルトコッホが結核菌を発見した逸話に基づいているそうです。
ランセットのpodcastがこの日の特集をしています。
http://www.thelancet.com/laninf-audio-2009
3月24日は世界結核デーで、これは1882年のこの日、ロベルトコッホが結核菌を発見した逸話に基づいているそうです。
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投稿情報: 09:24 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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気がつくと3月ももうすぐ下旬。今年度もおしまいです。
恒例のIDATENウインターセミナーが神戸大で行われています。本日は最終日。毎年レベルアップしているように思いますが、今回はとくにインストラクターのレクチャーの質の高さに驚く毎日でした。
今回は、神戸大の学生さんとうちの事務局は本当に前々から細かい準備を重ねてきました。会場や宿の確保、懇親会のセッティングや観光ツアーの準備、コーヒーメーカーやゴミ箱の設置など、細々したところに目配り、気配りの届いた素晴らしい準備だったと思います。その間、私はぼーっとコーヒーを飲みながら傍観しているだけで全く役立たずでした。準備に奔走してくださった皆さんにはこころから感謝しています。
また、毎回忙しい診療の合間にこのような質の高い感染症セミナーを準備してくださった音羽病院の大野博司先生と、静岡がんセンターの大曲貴夫先生たちIDATENのメンバーの皆さんにも感謝感謝です。セミナーに参加して感染症の面白さが分かった、感染症ファンになった、という人も多く、目を輝かせ、息を弾ませて感染症の面白さや難しさを語ってくださる参加者の顔を見るにつけ、このようなセミナーの意義深さを感じたのでした。
本日は最終日、今日も朝からぼーっとみんなの活躍を傍観しています(結局最後まで役立たず)。
投稿情報: 08:08 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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今週から、NEJMのMGHケースカンファレンスを使って勉強会をすることにしました。一人が原稿を読んできて、病歴の部分をプレゼンします。ここで、鑑別疾患を挙げて、種明かし、という流れでやります。30分程度のコンパクトなやり方で、特にスライドとかも用意させません。病理所見もざっくりいきます。簡単に継続できることを目的にしています。まあ、他院でも同様の企画はあると聞きますから、うちのオリジナルではもちろん、ありません。
今回のお題は、26歳男性既往歴なし、の右目の視力低下でした。
http://content.nejm.org/cgi/content/extract/359/26/2825
病歴から急性疾患、慢性疾患、突然発症の疾患と分け、病歴・身体所見から解剖学的なアプローチをしていき、鑑別疾患を挙げていけば診断までの道筋はそれほど困難ではありません。が、うちの研修医達はこれがまったくできていないことが明らかになりました。みんな、文脈を無視して「思いつきで」鑑別を挙げているのです。普段からこういうアプローチをしていて、そして鑑別が思いつかないと手も足も出ないから、「とりあえず検査」となるのでしょう。
このセッティング、この医療環境では、このような教材の活用は思いの外教育効果の高いことに、少し驚きました。これ、学生・研修医向けのレクチャーでも取り入れてみようかな。
投稿情報: 10:05 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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HIV/エイズ領域の独学は大変です。進歩も早く、情報量も多いですが、その質の峻別がとても難しいのです。
研究者マターのアップデートと臨床家が知っておかねばならないアップデートは微妙に異なると思います。学術集会ではそれが混在しているため、どの辺がmustな知識でどの辺がオタッキーな知識なのかも判然としづらいです。新しい薬の情報はMRさんがもってきますが、新しい薬の立ち位置は教えてくれません。薬とは、立ち位置こそが重要なのですが。
で、個人的にお奨めなのが以下のサイトです。米国のHIVのプロがCROIなど先端の学術部分を我々にかみ砕いてボトムラインを教えてくれます。これを読めば最新の、そして臨床に直結した部分の知識が無理なく手に入りますし、もとのソースへのアクセスも容易です。
http://blogs.jwatch.org/hiv-id-observations/
もちょっと時間があれば、medscapeそのものを読むという手もあります。
http://www.medscape.com/hiv
投稿情報: 07:58 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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Acute forms of tuberculosis in adults Am J Med 2009 vol. 122 (1) pp. 12-7
通常はゆっくり病の結核も急性発症することがあります。結核は難しい、を再認識する論文
Detection of Toxoplasma gondii, Epstein-Barr virus, and JC virus DNAs in the cerebrospinal fluid in acquired immunodeficiency syndrome patients with focal central nervous system complications Intern Med 1999 vol. 38 (7) pp. 556-62
エイズ患者の頭蓋内病変の診断は困難です。それが困難であることを再認識する日本発の論文 PCRの価値は??
Aspergillus galactomannan testing in patients with long-term neutropenia: implications for clinical management Ann Oncol 2008 vol. 19 (5) pp. 984-9
FNでガラクトマンナンはどのくらい役に立つ?型の論文。陰性の時は役に立つかと思いきや、方法論に致命的な問題が、、、、
Double-blind, placebo-controlled study of oxacillin combined with rifampin in the treatment of staphylococcal infections Antimicrob Agents Chemother 1985 vol. 28 (4) pp. 467-72
ブドウ球菌感染症にリファンピンをかませるのはどうか、という話題。面白かったのは、低容量だとむしろアンタゴニスティックになるかも、、、という話題。
Brucellosis N Engl J Med 2005 vol. 352 (22) pp. 2325-36
非常によくできた総説。一文一文ためになりました。
Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 34-2008. A 58-year-old woman with neck pain and fever N Engl J Med 2008 vol. 359 (18) pp. 1942-9
CDCのガバディング先生がまとめているケースカンファレンス。MGHケースは最近サボっていましたが、やはり勉強になります。ここでも検査陰性=病気の否定にあらず、のはなし。
Rapid diagnosis of human brucellosis by peripheral-blood PCR assay J Clin Microbiol 1997 vol. 35 (11) pp. 2927-30
タイトル通りの論文
投稿情報: 06:18 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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神戸大学感染症内科では、3ヶ月程度の短期感染症研修を提供しています。感染症診療のキモである病歴聴取、診察、診断、治療のプロセスを軸に、感染症とその周辺にあるものを学んでいただくプログラムです。周辺とは、コミュニケーション・スキル、ネゴシエーション・スキル、タイムマネジメント、プロフェッショナリズム教育などを含みます。対象は3年目かそれ以上の医師です。また、これとは別に数日の見学もウェルカムですので、気軽にお声がけください。
対象;3年目かそれ以上の医師
期間;2009年5月以降、原則3ヶ月だが、融通は可能。ただし、1ヶ月以下だと「難しかった」で終わってしまう可能性が高いので、最低でも1ヶ月はいらっしゃることをお奨めします。
人数;原則一時にひとりとしていますが、これも相談可能です。ご希望が多い場合はしばらくお待ちいただくことになります。
選抜方法;原則先着順です。
給与;ありません。当方からは無給となります。ただし、島根大学、鳥取大学、兵庫医科大学の後期研修プログラムに参加されている方は、連携プログラムを組んで応募していただければ給与、住居、交通費の補助が出ます。詳しくは所属する大学の臨床研修センターにお問い合せください。また、その他の施設も同様の連携プログラムを持っている可能性があるので、臨床研修センターなどに相談するのがよいと思います。
費用;月額6300円を「研修登録医」費用として支払わなければなりません。住居は提供できません。アパートは今は値下がりしていて、贅沢を言わなければ3万円程度で借りることが出来ます。家具、白物家電、テレビ、インターネットつきのウィークリーマンションだと大体ワンルームで月10万円程度が相場だと思います。
内容;神戸大学総合診療部回診参加、コンサルテーション業務参加(診察、カルテ記載なども可能)、各種レクチャーなどの教育活動に参加 週一回のジャーナルクラブ、週一回のハリソン輪読会など。月曜から金曜まで。ほぼ毎日数例の新規コンサルトがあり、フォロー患者は20−50人くらいをチームで見ます。結構忙しいと思いますが、睡眠や休養がとれないほどではありませんし、週末はしっかりオフをとれます。ただし、スプーンフィーディングを期待される方はがっかりすると思います。問題意識を持ち、明確な目的・目標を持って自律的に学習される方を期待しています。
勉強できる感染症;多くは肺炎、尿路感染、カテーテル関連感染などコモンなものを担当しますが、そこはある程度都会の大学病院なので珍しい感染症もしばしば経験できます。結核、HIV、輸入感染症なども定期的に体験することが常です。ただ、大切なのは「どの」感染症を見るかではなく、「どのように」見るかだと思いますから、ここは本質から外れているかもしれません。
研修中のバイトなど;相談可能です。
学会発表、論文執筆;相談可能です。
研究;臨床研究ならできます。感染症系の基礎教室はたくさんあるので、基礎研究をご希望の方は紹介します。
外来実習;診療はちょっと難しいですが、見学は可能です。感染症外来は週3回あり、HIV、結核、旅行外来(出国前コンサルテーション、帰国後健康管理)、予防接種、寄生虫感染症の相談、STD相談などを行っています。月曜午前に岩田が総合診療外来を行っており、ここでも感染症の診療はやっています。
アフターケア;研修終了後も感染症に関する、あるいはその他の相談にいつでも応じます。研修参加者はいろいろ人脈、交流が広がり、良いことが多いと思います。また、類似の短期研修を修了ののち、感染症教育プログラムを立ち上げたり、米国に留学したり、本式の感染症後期研修に参加する方も多く、キャリアパスの最初のステップとしても有用だと思います、。
必要書類;参加ご希望の方は、まずメールでお問い合せください。履歴書、推薦状などが必要になります。推薦状は重要視しているので、よくご存じの方に作ってもらってください。推薦状を本人が閲覧するかどうかは、各自の自由とします。
ご連絡は、kiwataアットマークmed.kobe-u.ac.jpまで
投稿情報: 08:40 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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大野博司先生が長年企画されているIDATENセミナー。3月のウインターセミナーはなんと神戸大学で開催されます(残念ながら応募締め切り済みです)。
私の担当は耐性菌感染症なので、年末年始に教材を作っていました(2ヶ月の法則です)。以下に、参考文献をお示しします。
私は微生物学や臨床検査学の素人なので、この辺は知識の足りないところでした。一から勉強しなおしました。
とくに、長年私にとってよく理解できていなかったのがESBLでした。どうも分かったようで分からない、、、というもどかしい状態が何年も続いており、単なる現象の理解に留まっていたのですが、Patersonらの論文を精読して、その謎が一気に氷解しました。分からない部分と分かる部分の分水嶺を明確にすることが「分かる」ことなのだ、とソクラテスの教えが身にしみた次第です。
たった20分のレクチャーなので、いかにキモの部分だけうまく抽出できるか、あと2ヶ月チューニングしていこうと思います。長いレクチャーより短いレクチャーの方が圧倒的に難しいですね。
古川恵一 耐性菌感染症の治療 In 社団法人日本化学療法学会 抗菌薬適正使用生涯教育テキスト 2008 p178-193
舘田一博 臨床的に重要な耐性菌 抗菌薬耐性メカニズムを含めて In 社団法人日本化学療法学会 抗菌薬適正使用生涯教育テキスト 2008 p12-29
青木眞 レジデントのための感染症診療マニュアル第二版 医学書院 2007
β-ラクタマーゼについて 日本ベクトン・ディッキンソン(BD)
http://www.bdj.co.jp/micro/articles/1f3pro00000rwf1f.html
Jacoby GA et al. The new beta-lactamases N Engl J Med 2005;352:380-91.
Paterson DL and Bonomo RA. Extended-Spectrum β--Lactamases: a Clinical Update. CLINICAL MICROBIOLOGY REVIEWS, Oct. 2005, p. 657–686
投稿情報: 07:58 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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Update on the appropriate use of meropenem for the treatment of serious bacterial infections.
CID 2008:47 (suppl)
メロペネム適正使用特集。appropriateにinという帽子をかぶっている病院の岩田としては、ちょっと読んでみました。けれど、既存の知識に加えるものはほとんどなかったので、ちと残念でした。
投稿情報: 11:11 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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SLE
・SLEのM&Mの30−50%は感染症による。
・補体が足りないので、肺炎球菌、髄膜炎菌、痳菌感染症のリスクが高い。
・SLEのmannose binding protein (MBL)の欠損を合併していると、貪食作用が低下して肺炎球菌などを起こしやすい。
・SLEではPMNも異常である。単球やマクロファージも異常なんだそうな。Fcγレセプターに対する自己抗体のためらしい。TNFαの産生も減少している。T細胞数や機能もフレアの時は低下している。細胞内微生物にやられやすい。もちろん、ステロイドもそれに寄与する。
・SLEがあると、脾機能も低下している。
・SLE disease activity index (SLEDAI)が感染のリスクとパラレルで、独立危険因子。ただし、異論もある。
・ステロイド、アザチオプリン(イムラン)、cyclophosphamide(エンドキサン)はどちらもリスク。白血球3000以下は特に要注意。mycophenolate mofetil(セルセプト)はまだまし。日本ではセルセプトはCTDには使わないんでしたっけ、、、
・血漿交換をすると、B細胞、T細胞、免疫グロブリンの機能が落ちるので感染を起こしやすい。透析も感染を増やします。
・途上国のSLE死亡率は半分以上が感染症
・先進国でも深刻。死亡率の20−50%以上は感染症。でも5年生存率は90%台と、悪くはない。
・頻度的には細菌感染症が多い。皮膚、呼吸器、尿路などコモンなもの。黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などが多い。リステリアはまれだが、ステロイドなど使っていると起きる。(TNF阻害薬も問題、、、by 岩田)。
・大腸菌などグラム陰性菌も問題。特に問題はサルモネラ菌血症。骨盤アクチノマイコーシス、ノカルジア感染も。CNS病変があると予後が悪い。
・抗酸菌感染症も問題。岩田は最近、結核性髄膜炎とLupus髄膜炎の区別で逡巡した。always think of TB if the patient is human.
・ウイルスで多いのは帯状疱疹。全身性も。
・CMVで問題なのは、肺炎と脳炎。
・カビで多いのはカンジダとPCP。次いでクリプトコッカス。播種性Cladophialophora bantiana感染の報告も。
・寄生虫だと、やはり怖いのが播種性糞線虫。内臓リーシュマニアも。
強皮症
・食道病変があると、誤嚥性肺炎が多い。
・肺病変があっても肺炎を起こしやすい。
・Raynaudがあると、そこに二次感染も。
・強皮症の死亡の2割程度が肺病変による。その多くは感染症がからんでいる。
・CMV感染、S. lugdunensis感染の報告も。
・group G streptによるpyomyositisに注意。
・kansasii, MACなどの抗酸菌感染も
・日本では、食道病変の原因としてピロリ菌が提唱されることもあるが、未確認。
PM・DM
・やはり咽頭病変、食道病変があると誤嚥性肺炎を起こしやすい。ミオパチーそのものが呼吸機能、気道からの排出機能を低下させ、肺炎を起こしやすくする。
・皮膚石灰化によりぶどう球菌感染が起きやすくなる。
・死亡に寄与するのは、ガンか肺病変が多い。
Alarcon GS. Infections in systemic connective tissue diseases: systemic lupus erythematosus, scleroderma, and polymyositis/dermatomyositis. Infect Dis Clin N Am;2006:849-875より
投稿情報: 06:22 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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