骨髄炎の再発リスク因子には何があるか、またそれぞれどのくらい寄与するか
【序論】
骨髄炎には再発を繰り返すものもある。そこでどのような因子が再発や切断に寄与するのかを調べた。
【本論】
Alan D. Ticeらによる非経口抗菌薬療法(OPAT)を完了した骨髄炎患者454人の後ろ向き研究によると、315人(69.4%)が明らかに治癒し、139人(30.6%)が再発した。再発の内訳は、56%が3か月以内、78%が6か月以内、95%が1年以内であった。各再発リスク因子の寄与を調べるため、明らかに治癒した患者と再発患者を比較してオッズ比を計算し、2グループ間の相対リスクが計算された。
患者のほぼ半数(45%)がOPATの前に入院した。その他は外来診療で直接開始された。治癒患者と再発患者間でOPATの平均期間に有意差はなかった。
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併存疾患として、糖尿病173人(38%)と血管疾患54人(12%)が含まれていた。血管疾患のない糖尿病の再発の相対リスクは4.9 (95% CI 2.5–9.5; P ≤ 0.001)、糖尿病のない血管疾患は1.9(95% CI 1.2–3; P = 0.011)であった。
【結論】
再発リスク因子として病原体では緑膿菌、主に使用される抗菌薬ではバンコマイシンが挙げられる。緑膿菌は他の細菌感染と比べ約3倍、バンコマイシンは他の治療薬使用と比べ2倍以上のリスクとなる。
【参考文献】
Journal of Antimicrobial Chemotherapy, Volume 51, Issue 5, May 2003, Pages 1261–1268
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