D「なんか、今日のカンファ、盛り上がってたなあ」
S「ああ、ぼくが昔見た、非情に珍しい○○病の話をしたので、、、」
D「ああ、珍しくS先生が華麗にピンポイントで診断した○○病の話か。S先生はあれをおかずにもう何年もご飯食べてるようなもんだもんな」
S「嫌味を言わないでください。分かってますよ。年を取ったら自慢話すんな、でしょ。別に自慢ではなくて、純粋に医学的な経験の話です」
D「本人に確認して裏を取っていないが、高田純次は「歳をとってからはやってはいけないこと」として、「説教」「昔話」「自慢話」を挙げたそうだ」
S「高田純次、お知り合いなんですか?」
D「一回だけ新幹線乗る駅のホームで見かけたことがある。むっちゃ、真面目そうやった」
S「インチキ関西弁は止めてください。それから、急に私小説風に筆者の経験挟まないでください、フィクションなんですから」
D「マジック・リアリズムと言ったろう」
S「でも、その話聞いたことありますよ。高田純次の「歳をとってからはやってはいけないこと」、有名ですよね。まあ、たしかにいい年した親父が説教、昔話、自慢話って傍で見ていて非常に見苦しいですよね」
D「俺もそう思う。宴会で酒が入ったりするともう最悪だ。だから、俺は年寄りばかりの宴会には絶対に参加しない。一度自慢話の演説だけで終わった宴席があり、その長いのうっとうしいのって、、、」
S「だから、筆者の体験挟まないでください」
D「まあ、一般論としては高田純次の言うとおりだ。自慢たらたらな長話や説教は誰にとっても(しゃべってる本人以外には)迷惑至極な存在だ。あのエネルギーをせめて電力にでも変えれれば、少しは役に立つのだけど、残念なことにおっさんたちの自慢話と説教は風呂の焚付ほどの役にも立たない」
S「そうですねえ」
D「しかし、所詮は芸能人のコメントだ。そう全面的に信用しすぎるのもどうかと思うぞ」
S「え?」
D「高田純次のコメントがどういうシチュエーションでも正しいなんて別にだれかが研究して調べたわけじゃないだろ」
S「ま、そりゃそうですが」
D「概念はだな、全肯定も全否定も危険なんだ。大事なのは「どういう条件下でそれが正しいか」という条件を見つけることだ。コンテキストと言ってもよい。もちろん、自慢話、武勇伝が役に立つ時は、ある」
S「そうなんですか?」
第71回「武勇伝2,失敗談8の法則」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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