著者献本御礼。
日本の医療現場は長らく定型的な医局制度で回せていたこともあり、組織論とかリーダーシップ論には全く無関心だった。どちらかというと日本社会はリーダーが無能で部下が優秀、という組織のほうが多いのだ、ほんと。
が、医局制度の崩壊とともに、そういう甘ったれたことも言っていられなくなった。志水先生には国内外、たくさんの臨床現場経験(臨床経験だけではなく)、それはベテラン・ドクターでも体験できないような多様な体験だ。その体験と、彼の前向き、ひたむきな情熱・精神と、MBAコースなどで学習した理論が融合したのが本書である。
本書の内容は、ビジネスやリーダー論、コーチングを学んだ人には周知のことが多い。だからこそ、ベーシックなテキストと言えるし、ベーシックが欠如している日本の医療現場にはとてもフィットする内容だと思う。
志水先生ご自身が言っているように、リーダー論は多様であり、また賞味期限もわりと短い。そのことはスティーブ・ジョブスのような「理論」から外れた破格の存在に象徴されるし、またペップ、サーアレックス、モウリーニョといった多様なサッカー監督の存在に象徴される。いずれにしても、リーダーとは何か、マネジメントとはどうあるべきかは、きちんと系統的に学んでおいたほうがよい。オリジナルなアイデアは、いつでも基本的、教科書的学習の上に築かれるのだから。
てなわけで、こちらもプチ宣伝。ぼくらも何年か前にリーダーシップ論についてはけっこう突っ込みました。そのプロダクツがこれ。おすすめですよ〜
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