感染症の定義がいまいちなので、なんですが、とりあえずなんでも扁桃とりましょう、、、はよくないようで。
http://www.bmj.com/content/343/bmj.d5154.abstract?sid=4821356f-277f-464c-8c0e-c7075c7a30fb
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感染症の定義がいまいちなので、なんですが、とりあえずなんでも扁桃とりましょう、、、はよくないようで。
http://www.bmj.com/content/343/bmj.d5154.abstract?sid=4821356f-277f-464c-8c0e-c7075c7a30fb
投稿情報: 09:27 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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BMJらしい面白いスタディー。コホートばかりだけど、結果は面白いものでした。
http://www.bmj.com/content/343/bmj.d4488.abstract?sid=b1a01250-bc88-4823-a3c8-21a7e41c2c29
ところで、このスタディーで引用されている。Oba先生のスタディー
http://journals.cambridge.org/action/displayFulltext?type=6&fid=7150324&jid=BJN&volumeId=103&issueId=03&aid=7150320&bodyId=&membershipNumber=&societyETOCSession=&fulltextType=RA&fileId=S0007114509991966#cjotab_tab2
だと、カフェインやチョコレートで糖尿病は増えないけど、コーヒーは減らすかも、、、という内容でした。よく患者さんに聞かれますが、甘いものを食べても糖尿病は発症しないようで。
投稿情報: 09:22 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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というスタディー。効かない、という結論だけど、詳細よく読むと、、うーん。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1100441?query=featured_home
投稿情報: 09:11 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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本当、感染症を起こすと診断も治療も難しい、ADPKDです。学生レポートにまとめてもらいました。
ADPKD
【概念】
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側の腎臓に多発性の嚢胞が形成される先天性腎疾患で、40歳前後で発症することが多く、患者の半数は60歳代までに腎不全に至る。ADPKDの原因遺伝子にはPKD1、PKD2が同定されている。
【病態】
PKD1、PKD2は、各々蛋白としてPolycystin 1 (PC1)とPolycystin 2 (PC2)をコードしている。ADPKD患者の約85%がPKD1の遺伝子変異が原因で、残り約15%ではPKD2遺伝子変異が原因である。PKD1はPKD2に比べ嚢胞の発育が大きく早い為、腎症状の進行が早く、腎不全に至る年齢はPKD1が平均54歳、PKD2が69歳である。PKD1では死亡する年齢に男女差はないが、PKD2では男性67歳、女性71歳で、同じ家系でも個人差が大きい。最新の遺伝子型試験は識別するのが発病する変異の約70%しかないため、有用なスクリーニング手段ではない。
腎臓に嚢胞が形成されることに病的な意味はあまりなく、嚢胞が尿細管の一部に形成されることによりネフロンの構造が破壊され、嚢胞の拡張に伴い、周囲の正常なネフロンの細胞にもアポトーシスが誘導され、正常構造の障害が促進される。このため、経年的に嚢胞の拡張、数の増加により腎機能は低下し、腎実質の萎縮、繊維化が起こり、機能ネフロン数が減少し、腎不全に移行する。
【合併症】
主によくみられる合併症は以下の通りである。
合併症 |
頻度 |
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脳動脈瘤 |
8% |
脳血管造影によって脳動脈瘤が診断される頻度は通常の4 倍以上とされ、造影剤を用いないMRAなどによる脳動脈瘤のスクリーニングが考慮される。また十分な降圧療法は,脳血管イベントのリスクも下げる可能性がある。開窓術などの外科的手法や動脈塞栓術などは,囊胞出血や慢性の疼痛,腎サイズの縮小に一定の治療効果があると考えられる(GradeC)。 |
高血圧 |
60% |
高血圧症は腎機能障害の進行因子である。目標血圧130/80mmHg未満への十分な降圧療法は, ADPKD 患者において腎機能障害の進行を抑制する(GradeA-2)。ACE阻害薬とARBは血圧を下げると共に腎機能悪化を予防する腎保護作用がある。 |
嚢胞形成 |
男:65%女:80% |
肝嚢胞が最も多く、他に脾臓、膵臓、子宮、睾丸にも生じる。肝嚢胞は肝機能障害を来すことはほとんどないが、圧迫症状として腹痛、出血が生じる。女性に多く、経産婦では嚢胞が腫大傾向にある。 |
弁膜機能異常 |
30% |
心エコーで僧帽弁逆流が20%、大動脈弁逆流が10%でみられ、悪化すると心不全になる。遺伝子型PKD1の患者では僧帽弁逆流症(12.8%)と僧帽弁逸脱症(25.7%)が有意に多い。 |
嚢胞感染 |
11% |
腎臓や血液からの病原菌の診断は難しい。MRI、PETが感染性嚢胞の検出に有用である。起炎菌が不明な場合の初期治療として,囊胞内への移行性とグラム陰性桿菌への感受性を考慮して,ニューキノロン系薬の投与が推奨される(GradeC) |
その他の合併症として、尿路結石、大腸憩室、鼠径ヘルニア、総胆管拡張を来すこともある。
[参考文献]
・Imaging Progression in Polycystic Kidney Disease NEJM 354;20 www.nejm.org may 18, 2006
・Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease Jared J. Grantham, M.D. NEJM 2008; 359:1477-1485
・Comparison of phenotypes of PKD types 1 and 2 Luncet Volume 353, Issue 9147, 103 - 107, 9 January 1999
・Diagnosis of renal and hepatic cyst infections by 18-F-fluorodeoxyglucose PET in ADPKD. Am J Kidney Dis. 41: E18-21, 2003.
・Managing Cyst Infedtious in ADPKD:Clin J Am Soc Nephrol 4:1154-1155,2009.doi:10.2215/CJN.03270509
・Woo D.: Apoptosis and loss of renal tissue in polycystic kidney diseases.N Engl J Med. 333: 18-25, 1995.
投稿情報: 09:10 カテゴリー: 学生レポート | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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というわけで、増刷の報が届きました。こんなにマイナーな本で増刷されるとは驚き!うれしいです。
読者の方から間違いを指摘されているので、この場をお借りしてお詫びとともに訂正させてください。増刷時には直しておきます。
32ページの典型処方の価格表が間違っています。ATVとDRVが高額すぎました。
76ページの「Abacavirの耐性」に関する記載でAbacavirがチミジンアナログであるような書き方になっています。コピペを間違えました、、、
132ページの脂質関連の記載ですが、「ロスバスタチン rosuvastatin」(=「クレストール」)と「ロバスタチンlovastatin」が混用されている。すみません。この領域の弱さ露呈っす。クレストールはOKで、lovastatinは禁忌です。日本人にありがちなLとRの間違いです。
投稿情報: 11:23 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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NEJMのケースはタイトルがつまらない。もっと気の利いたタイトルを付ければよいのに。今回のO先生はよく考えていて、いい感じでした。5年生と、初期研修医と、フェローとみな楽しませるのは大変だけど。あと、MGH周辺の病院はいけてない病院がおおい、、、気がする。
投稿情報: 09:41 カテゴリー: clinical problem solving | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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脊椎椎体炎について
脊椎椎体炎(化膿性脊椎炎)死亡率はかなり低いが罹患率は高く、診断の遅れにより治療不可能な合併症を引き起こしうる疾患である。50才以上の患者がほとんどであり、男性の方が女性より発症率は2倍高い[1]。
>50% |
Staphylococcus aureus Coagulase-negative staphylococci |
>25% |
Streptococci Enterococci Psuedomonas spp. など |
<5% |
Mycobacterium tuberculosis Candida spp. など |
表1 椎体炎の起炎菌とその頻度[2] |
【病態】
病原体は以下の3つの経路のいずれかで脊椎骨に到達する[1]。
・感染巣からの血行性の遠隔転移
・外傷や脊椎の手術からの直接的な感染
・隣接する感染軟部組織からの拡散
椎体炎の原因菌として最多なのはStaphylococcus aureusであり(表1)、特に発展途上国では50%以上の症例で同定される。脊椎椎体炎では地域によってMycobacterium tuberculosisやBrucella spp.が多い[2]。
【診断】
菌血症を伴う背部痛の患者で考えるべき鑑別診断として、脊椎椎体炎の他に、背部以外への感染に非感染性の脊椎の疾患が合併している場合が考えられる。非感染性の脊椎の疾患としては、圧迫骨折、脊椎損傷、椎間板ヘルニア、脊椎変性疾患が挙げられる。また、腰痛や発熱、炎症反応がある症例では、腎盂腎炎や急性膵炎がまず疑われ脊椎炎が見逃されることが多い。しかしこういった症例では化膿性脊椎炎を必ず鑑別に挙げるべきである。
成人の脊椎椎体炎では、病変部周囲の潜行性の痛みや圧痛を訴えることが多いが発熱や悪寒等は少ない。
椎体炎の患者の血液検査所見では、赤血球沈降速度(ESR)が上昇することが多い。椎体炎やその他の脊椎感染に対する感度は76-95%であり[3]、ESRが診断に有用であるといえる。血液培養や生検による菌の同定は必須であるが、血液培養の感度は50-70%であり [1]、必ずしも高いとは言えない。
CTは使い勝手がよく、血行途絶による骨の壊死像やその周囲の骨組織の新生増殖などの探索に有用であるが、病初期の骨の構造変化がわかりにくいなどのデメリットがある。一方MRIは椎体炎に対する画像診断の中で最も感度がよいため、椎体炎の診断には通常MRIが用いられる。
症状や画像所見から椎体炎を強く疑った場合は、一般的に生検による菌の同定を行う。生検は、外科的もしくはCTガイド下の穿刺が望ましい。一度の生検で陽性とならない場合は再度生検を行う。
【治療】
脊椎椎体炎のほとんどでは安静と抗生剤投与で十分である。しかし、抗生剤が奏効しない場合や脊椎が圧縮されている場合、膿瘍のドレナージを行う場合(硬膜外、傍硬膜膿瘍によって神経が圧迫され麻痺が出現している場合はドレナージが必要となる)には手術が必要となる。
抗菌薬に関しては、軟部組織への感染や敗血症を併発している場合を除いて、生検培養の結果が得られるまでは投与を見送るべきである。投与期間は多くの場合経験的に4~6週間とされているが、明確な研究結果は得られていない。
治療効果は、画像所見、臨床症状、ESR値などにより総合的に判断する。
参考文献
[1] Vertebral osteomyelitis and discitis; Daniel J Sexton, et al.;Up to date, 4/5/2011
[2] Mandell,Douglas,and Bennett’s Principles and Practice of Infectious Disease, seventh edition 1457-1461; Gerald L Mandell, et al.
[3] Diagnostic testing for low back pain; Thomas O Staiger, et al.;Up to date, 7/2/2011
投稿情報: 09:14 カテゴリー: 学生レポート | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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科学技術に関する国際フォーラム(STS)開催に伴い、EUとNature Cafeなどの協力で「緊急時におけるリスクコミュニケーション」という意見交換会が開催された。政治と科学、科学とメディア、そしてメディアと政治がどのように緊急時のコミュニケーションをとっていくか、各界の代表が集って議論がなされた。
議論がなされた、、、、ということは、欧州各国においても日本においても政治と科学とメディアのコミュニケーションが「うまくいっていない」ことを意味している。円滑良好なコミュニケーションが成就されているのであればこのような催しそのものの存在理由がなくなるからだ。
イギリスのvCJD、ドイツの大腸菌、アイスランドの噴火、SARSやパンデミック・インフルエンザ、そして東日本の震災と、我々は科学技術が政治的に応用される事例、緊急事例をたくさん経験している。しかし、その際に科学は政治やメディアに恨みを持ち、政治は科学とメディアを恨みに重い、メディアは、、、以下同文、、、ということになる。なぜか?
もちろん、同じ情報を扱う場合でも、政治とメディアと科学ではその目的が異なる、、、という意識の差もあろう。でも、それだけではないような気がする。
毎日新聞の足立旬子さんが残したコメントが印象的だった。speediの情報が公開されなかったが、そこには深い事情があり、データを処理し、報告する際のプロセスの中で公開がうまくなされなかったというのである。
ぼくは、そこをメディアが語るべきだと思う。メディアの語り口にもパラダイムシフトが必要だ。
speediの情報が公開されなかったのは問題である。当然だ。しかし、そこで文科省はけしからん、と糾弾口調になり、問答無用の状況を生じさせてきた「糾弾の語り口」をぼくは残念に思っている。冷静になって考えてみたい。たとえば、医療の現場でこれをやって、医療現場が果たしてよくなるだろうか?そうでないから、ぼくらはノーブレームのインシデントレポートを奨励しているのである。行政においてなぜ同じ原則がアプライできないのだろう。
メディアは、分かっていることを分かりやすく明快に語るのを専らとしてきた。これからは、分からないことを、口ごもりながら語るという語り口も必要なのである。
緊急時にはとかく陰謀論が蔓延るものだが、総じて日本の政治家も官僚も良心的で優秀である。情報を文科省が隠蔽して文科省官僚達が「個人的な利得」を得てウハウハ言っている、、、というストーリーよりは、構造的な情報公開のシステムの不備がそれをもたらしたと考える方が理にかなっている。そして、そのシステムの不調を明らかにし、改善するためには、「文科省けしからん」の糾弾口調よりももっと効率的で効果的な方法があるはずだ。それが「口調」である。
政治をサポートする科学者の独立した支援システムが必要である、日本学術会議がその要務を果たせていなかったという議論があった。どこかで聞いた議論だ。そう、2009年のパンデミックのときも、ぼくらは全く同じ議論をしたはずだ。いわく、日本にはCDCやACIPに相当する機関がない。マルチディシプリナリーでインデペンデントな科学的オピニオンをまとめ、政治に反映させるような。科学的ステートメントを枝野さんが行い、speediの情報管理を文科省が担当し、どこからが専門家の見解でどこからが素人の意見なのかが判然としていない。だから、非難や糾弾の温床ができるし、陰謀論がでてくるし、「御用学者」というよくわからない単語が乱用されるのである。
そのためには、科学のもとに生きるものが、自分の名前と責任のもとで、科学的政治的ステートメントを行い、責任を取るガッツを持たねばならないことも意味している。外野から野次を飛ばしているだけではだめなのである。
メディアと科学と政治の歩み寄る旅程ははっきりしている。各プレイヤーがそれに乗る覚悟を決めることができるだろうか?
投稿情報: 08:46 カテゴリー: 考え方のピットフォール | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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