内田樹の昔の本で、ちょっと今よりも口調が強いです。だんだんまるくなってきたのでしょうか。基本的には、「決めつけるヒト、自分が正しいと断言する人にはご用心」ということでしょうか。「相手が勝ち誇ったときそいつはすでに敗北している」、という言い方もありますが。
大塚英志の本なんてもう10年ぶりくらい?まあ、構造を見たらにている、というのは分かりますが、似ていることだけでいうと何とでもこじつけられる、という気もするのが難点。直観的に言って村上春樹と宮崎駿は全然違うし、異なる作品を同じ構造にはめ込んでしまうのも(やってやれないことはないにしても)ちと強引かもしれません。ちなみに、ポニョは見ていません。
これはかなり面白く、夢中になって読みました。
80年代、90年代って僕にとっては空白で、日本の時事や、ましてや思想についてはまったく無関心でした。だから、今でも「文芸批評」「時事批評」を根底にする日本の思想の流れには正直ついて行けません。だから、この本でさらっと勉強できて楽しかったです。
ただ、個人的には(体験上)、「日本の問題」や「今の問題」を哲学的に考えるインセンティブがどこにあるのだろう?と思います。今を「説明」する哲学なんてジャーナリズムの延長線上にしかないのでは?「私の問題」、「明日の問題、あるいは明日の地平」こそが、考えるに値するのだと思います。
あと、この本を読んで、宮代真司や中沢新一はとても真面目な人(そして善良な人)なのだと感じました。よく考えれば当たり前かもしれませんが、人は見かけで判断してはいけないのでしょう、、、、
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