献本御礼。
実に見事な教科書。一気に通読しました。ぼくはスポーツ医学は素人ですが、個人的に興味があるのでトレーニングや栄養について独学していました。が、やはり独学には限界があり、断片的なデータのつまみ食いになりがちで、プロの深い洞察や包括的な理解にはかなわない。よって教科書が大事になるのですが(感染症も同じだよ)、本書は長い歴史があるのに見逃していました。不明を恥じ入る次第です。お送りいただいたことで、すごく世界が広がりました。
筋肉痛は乳酸のせいなのか
運動前の糖質は効果があるのか
ストレッチは意味があるのか。どうすればいいのか。
筋トレは?
スポーツの世界は一般医学の世界に比べてこういうエビデンスが当事者間で普及していない感じを持っています。トップアスリートでも取り巻きに怪しい商品とか勧められて、意味のない商品に走ってる姿を時々見ます。あと、栄養学、トレーニング法でもかなりいい加減な理論が多く、基礎医学データの直接応用や、針小棒大な解釈、チャンピオンデータの悪用などたくさんの問題が存在すると思っています。アマチュアスポーツではなおさらです。
本書を読めば、我々が日頃疑問に思っている命題についてしっかりした議論が行われています。それも広範に。「とんでも」「フェイク」の特徴として、「これだけやっておけば大丈夫」という問題のシングルイシュー化が目立ちますが、一般的に「これだけやっとけば」というのはないのです。また、多くのアイテムは長所も欠点もあるので「使い方が大事」なわけで、そういう意味でも「これやっとけば大丈夫」というシングルアンサーはありません、。コロナのような感染症も同じですが。
というわけで、プロアマ問わず、本書はとてもオススメです。アスリートも指導者も、必携。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。