BSL感染症内科レポート
「人工弁を置換されている患者のS.Aureusによる感染性心内膜炎に対して、CEZ単剤に比べてCEZ/GMを併用する意義はどの程度あるのか」
【序論】私の担当患者が人工弁置換をされた方であり、血液培養でS.aureusが検出され、CEZ/GM併用となっており、日本の感染性心内膜炎ガイドラインではMSSAに対してCEZが第一選択薬となっており、GMを併用する意義を疑問に感じ、その根拠を調べた。
【本論】ブドウ球菌性人工弁感染性心内膜炎(PVE)に対して、外科的介入が必要な場合があるが、内科的療法として、American Heart Association (AHA) およびEuropean Society for Cardiology (ESC)も筆者と同様にCEZ/GMにRFPを加えた三剤併用療法を推奨している。その根拠は臨床シリーズに対する後ろ向き研究である。その研究では61名の外科療法をされたブドウ球菌性PVE患者で、三剤併用した患者は単剤治療の患者に比べて外科を行うまでの期間を調整すると5.9倍、培養が陰性になる割合が高かった。また分析するには少数であるが、RFPを含む三剤併用療法を受けた6人の患者は外科療法の際、全員が弁の培養が陰性であった 1)
【結論】今回の論文から考察すると、PVEに対してCEZ/GMを併用投与することは、概ね有用であると思われる。
(参考文献)
1) Up To Date;Antimicrobial therapy of prosthetic valve endocarditis
Authors:Adolf W Karchmer, MD;Vivian H Chu, MD, MHS
Literature review current through: Oct 2019. | This topic last updated: Sep 03, 2019
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