「院内発症の腎盂腎炎の初期治療にてTAZ/PIPCの治療効果は他の抗菌薬よりどれだけ優れているか」
【序論】
私のXXX複雑性腎盂腎炎をXXX。数ある抗菌薬の中でTAZ/PIPCが使用されている根拠を探るためにTAZ/PIPCの治療効果を調べた。
【本論】
Up To Date の複雑性腎盂腎炎の項にて引用されている論文の一つでは院内感染の尿路感染症のempiricな抗菌薬療法はエビデンスに基づく研究の深刻な不足があると言及され、empiricな抗菌薬療法の選択は制度や地域の感受性のパターンを考慮して調整することが推奨されている。
Sebastian Bischoff らは2013年1月から2015年6月の間に救急外来を受診した尿路感染症患者のうちTAZ/PIPC、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、セフロキシム、セフポドキシム、セフタジジムに対する耐性を持つか否かを分析し耐性獲得のリスク要因を特定した。そのリスク要因は老人ホーム在籍、男性、過去30日以内の入院もしくは抗生剤治療、腎移植、留置尿道カテーテルである。これらのリスク要因2つ以上に該当する患者においてTAZ/PIPC、ゲンタマイシン、セフタジジムは7割以上の感受性を示し、その他の抗菌薬の感受性は約6割以下に低下することがわかった。すなわち耐性菌の存在が考えられる場合においてもTAZ/PIPCは高い感受性が期待できる。この論文の結論でも地域の感受性率を考慮した抗菌薬の選択が推奨されている。
【結論】
耐性菌の存在が考えられる複雑性腎盂腎炎においてTAZ/PIPCは一部の抗菌薬よりも高い感受性があることがわかった。しかし、実臨床の現場では制度や地域性を考慮して抗菌薬を選択することが重要である。
【参考文献】
Up To Date
Golan Y. Empiric therapy for hospital-acquired, Gram-negative complicated intra-abdominal infection and complicated urinary tract infections: a systematic literature review of current and emerging treatment options. BMC Infect Dis 2015; 15:313.
Sebastian Bischoff. Empiric antibiotic therapy in urinary tract infection in patients with risk factors for antibiotic resistance in a German emergency department. BMC Infect Dis. 2018; 18: 56.
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