感染性心内膜炎に関連する房室ブロックは感染性心内膜炎の治療で改善されるのか
〈序論〉
今回、XXX。そこで房室ブロックはペースメーカ等の使用なしにIEの治療とともに改善されるのかと疑問を持ち論文を検索した。
〈本論〉
感染性心内膜炎(IE)では弁輪部膿瘍を伴うことがあるが、それは大動脈弁位または人工弁IEに合併することが多い。大動脈弁位では弁輪部の中でも最も脆弱な膜性中隔と房室結節に近い部分に生じやすく解剖学的に房室ブロックが続発しやすい。僧帽弁では解剖学的に房室結節と遠いことから1度、2度の房室ブロックが起こることはあるが完全房室ブロックは稀である。人工弁ではもともとの感染が弁輪部に起こるため、容易に弁周囲感染を合併しやすく、その発生頻度も高い(54 ~ 100%) 。
感染性心内膜炎を原因とした房室ブロックは伝導系の繊維化および硬化によるものと考えられる。2002年の臨床コホート研究によると211人のうち弁輪部膿瘍があったのは78人でそのうち房室ブロックをきたしたのは13人であったが治療に関して記載はなかった。
〈結論〉
房室ブロックをきたした患者のその後まで書いてある論文は見つけることができなかった。しかし僧帽弁での膿瘍をきたした場合は1もしくは2度の房室ブロックであることが多くこれらはIEの治療とともに改善されると考える。弁輪部膿瘍によって伝導系の線維化が進行した場合はIEの治療で改善はしないのではと考えた。
〈参考文献〉
Graupner C,Vilacosta I,SanRoman J,Ronderos R,Sarria C,Fernadez C,Mujica R,Sanz O,Sanmin JV,Pinto AG:Periannular extension of infective endocarditis.Journal of the American College of Cardiology, Volume 39, Issue 7, 3 April 2002, Pages 1212-1213
UpToDate William H Sauer:Etiology of atriventicular block.
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