昨年度のベストレクチャー賞というのをいただきました。診療、教育、研究、「その他雑務」では、診療とともに一番エネルギーを入れているのが教育です。が、さほど評価されたという記憶がありません。なので素直に喜んでます。このClinical Problem Solvingの4回レクチャーは自著にも収載されているので、よかったら読んでやってください。
さて、受賞の挨拶は短く済ませましたが、そのロングバージョンはこちらに。
このたびはありがとうございます。研修医レクチャーに出てる人の多くは1年目の研修医で、ぼくのレクチャー聞いていない人が大多数でしょうからナンノコッチャわけわからん、だと思いますが、まあいいです。
昨今の報道にもあるように、医学界には製薬メーカーの太鼓持ちみたいな医者がたくさんいて、感染症界もその例外ではありません。年間何百回も講演して何千万ももらっているそういう「太鼓持ち」のほうがずっと声がでかいわけで、ぼくも毎年同じような話を続けていても、当初は完全に「異端」扱いをされていました。大学病院とかで話をすると、「先生の話は奇抜ですねえ」という感想をもらうことがほとんどでした。
それが、ようやく学生や研修医にまっとうに評価されるようになったわけで、これは神戸大学の学生、研修医、そして大学病院全体のレベルアップとも深く関係していると、とても喜んでいます。
さて、医学教育の業界では専門家やマニアたちが「レクチャーというのは一番質の低い教育手法だ」と主張します。でも、そのわりに、そういう専門家やマニアたちのレクチャーは概ね下手くそで退屈です(実は参加型のワークショップをやらせても、たいてい退屈です)。ぼくが知る限り、そのような主張をしながら、かつレクチャーが面白い!と思った方は1人だけです。レクチャーが手法としてどうのこうの言うのは、まずまとうなレクチャーができるようになってからいうセリフだ、とぼくは思います。
なので、現場の人間としては、そういう「評論家」の声はあまり気にせず、これからも研修医と学生(そしてその先にいる患者)のことだけを見て、視線の起き方を間違えずに精進していこうと思います。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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