秋葉らによると、透析医療においてはHIV感染者がほとんど受け入れられておらず、かつ今後も受け入れるつもりがないところが多数派です(透析会誌 2013)。その最大の理由が「HIV専用 ベッドが確保できない」です。
ほとんど1980年代のような時間が止まっているのが「業界外」の現状です。
その最大の理由は拠点病院制度にあるとぼくは思 います。拠点病院があるせいで、それ以外の医療機関は「関係ない、おまかせ」という雰囲気を助長しているのです。
拠点病院制度は歴史的役割を終え、HIV 診療はどこの医療機関でも普通に行なうべきだというのがぼくの意見です。
残念ながら兵庫県でもHIV陽性者のオペを断る残念な外科医がいます。理由は 「HIV陽性者のオペをしたことがない」でした。べつい彼らは心臓が4つついているとか、十二指腸の下に胃がついているわけではありません。オペの仕方は 「完全に」同じです。神戸大学病院の外科医たちはどの科であっても普通にHIV感染者のオペをしています。ありがたいことです。
拠点病院の中にも実際にはHIVをみれない「なんちゃって」拠点病院もたくさんあります。情報公開が進み、A=netなどが破綻し て、拠点病院が維持されるメリットはほとんどありません。あとは現状を変える覚悟が「業界内」にあるかどうか、です。
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