どこかで衝動買いした本を、読了。
昨日、NHKの古典芸能の番組で、南座顔見世興行での市川中車(香川照之)の「元禄忠臣蔵」を見た。いやいや、素晴らしい演技で感服。どこぞの雑誌で「全然稽古してない」「下手」なんて酷評を目にしたが稽古しないであの熱演はありえない。素晴らしい才能と努力だと思う。テレビで人気俳優であるということからきた嫉妬心、中傷であろう。保守的な歌舞伎界はテレビや映画で活躍する俳優を嫉妬して軽蔑するところがあるようだ(どこの世界でも、そうか)。
今でこそ盤石の松本幸四郎も、若い頃は舞台やTVで活躍し、かなり嫉妬されたという。それが本書の「私の履歴書」で紹介されている。「私の履歴書」は玉石混合なので定期的には読んでいないが、芸能人のそれは「あたり」のことが多い(政治家と財界人に「はずれ」が多い)。今回も、よかったです。
なかでも、幸四郎のお父さんが、勧進帳をどの地方でも全力投球して、「お客さんに取ってはこれが生まれて初めてみる「勧進帳」かもしれないのだから」と言うところは納得でした。ぼくも研修医の頃、虫垂炎を診るのに「飽きてきた」ころ(すみません)、指導医に「患者に取っては生まれて初めての虫垂炎だ」と言われて叱られたことを思い出しました。
さて、ぼくはこの業界に詳しくないけど、兄弟の吉右衛門と、勘三郎の記載が少ないのがちと気になりました。あと東宝移籍の理由もよく分からんかった。ネット情報は以下の通りだが、本当の所はどうなんでしょうね。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10105183365
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13102070778
http://bobbi.jp/kabuki/2008/11/post_39.html
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