TPPについては未確認情報が多すぎて、ぼくは判断保留である。というか、この程度の情報しかないのに賛成・反対を表明できることが不思議でたまらない。
それはおいておいて、日本医師会会長の原中先生と南渕先生がTPPに関して議論していた。繰り返すが、TPPについてはぼくは判断保留である。しかし、外国医療者とのクロスライセンスについてはぼくは大賛成だ。
「医療崩壊」というキーワードが象徴するように日本の医療者は足りない。充足が必要である。とくに地方、僻地の医療者不足は深刻だ。それを外国人が充足してくれるというのは地域社会にとってはありがたいことなはずだ。
原中氏は言う。医療においてコミュニケーションは大切であり、日本語での十分なコミュニケーションは大事だと。同意する。ただ治療薬を選択でき、手術が上手なだけでは医療者としては不十分だ。
それはいい。でも、なぜ門前払いするのだ?外国人に十分な日本におけるコミュニケーションを要求すればよい。それだけの話だ。ぼくらはアメリカで、「コミュニケーションも含めて」優れた医療者たるべく、死に物狂いの努力をしてきた。日本に来る医療者も同様の努力を必要とするだろう。もちろん、うまくいかない者もいるだろう。しかし、なぜそのチャレンジそのものを否定するのか?戦おうとするものをリングに上げないのは、あまりに非情ではないか。日本医師会が日本人としての誇りを尊重するのなら、なぜそのような非紳士的な態度を日本人に許容するのだろう。ネット右翼と同じく日本人が好きなくせに、その日本人を貶める奇異な態度がここに見受けられる。
イチローは国籍で大リーグから門前払いを食わなかった。ドイツの香川、ロシアの本田も同様だ。外国で成功するのは国内で成功するより困難だ。それは事実だ。しかし、挑戦者を止めてはならない。困難にあえて立ち向かおうとする医療者の気概に応えることこそ、誇り高き日本人の態度である。そして、その外国人が現場のニーズに応えられなければ、そこで肩を叩けばよい。それだけの話だ。
しかし、日本のナースは、アテンティブなフィリピンのナースの優秀さに少なからず驚かされるはずだ。シンガポールやオーストラリアのドクターの知性や技術に日本のドクターは無関心ではいられないはずだ。なぜ、そのような交流を危機とのみとらえ、自らを伸ばすチャンスと認識できないのだろう。
イングランド・プレミアリーグは外国人選手をウェルカムし、外国人監督も受け入れ、そして世界最高峰のサッカーリーグを作り上げた。他者への寛容こそが自らの進歩の最大の栄養素である。情けは人のためならず。ぼくらのために、患者のために、外国人はウェルカムなのは当然の理だ。
いつもお世話になってます。
フィスブックもちょっとあって、ダウンサイジングし、先生のフォローも外すことになりましたが、他意はありません。
この投稿もアップ、ダウンご随意にです。
先生のアップ、拝見し、なんちゃってマージナルマンからすれば、ちょい違和感あります。
日本にも、ECFMG、USMLE相当の予備試験、認定があり、研修特例もあります。
先のことは不明なのは先生のおっしゃるとおり、だからワープせずに、いまの比較が欲しかった。
良い意味での出羽の守、米中語れる先生だからこそ。
次回以降に期待します。
投稿情報: Ikuo Takenaka | 2011/11/22 23:51