大曲先生らによる新著である。通読したが、実に実に面白かった。
呼吸器感染症は呼吸器内科医と感染症内科医の境界領域である。これに免疫抑制者が加わると血液内科、腫瘍内科、HIV診療、移植外科などが加わる。肝不全も腎不全も新生児も一種の免疫抑制状態である。こうやってたくさんの専門領域のクロストークが始まる。もちろん、微生物学や薬理学も重要だし、呼吸器感染症といえば放射線診断学も大切なファクターだ。
臨床現場で活躍されている著者らが、その経験と勉強量を発揮して詳細にまとめた深い内容である。重複している内容も多いので通読するというよりはケースごとにその章に戻って精読するのに向いているかもしれない。各筆者の個性が活かされており、特にマインドマップは面白いとぼくは思いました。
最後のケースディスカッションは熱くてディープでライブ感抜群である。また、臨床の悩ましいところ、分からないところも真摯に議論されていてさらによい。内科学会雑誌とかの偉いさんの対談よりこういうトークのほうが絶対に面白いな。もっともっとこういう企画が進めばよいと思う。
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