白状すると、アマゾンで医療倫理と名前の付いた本を片っ端から買ったので、買った本。到着時は薄いし軽そうだし、「はずれかな」なんて思っていた。
とんでもない。これは素晴らしい発見だった。
これまで読んだ医療倫理本は国内外問わず、比較的規範性が高く、カテゴリーや○○理論を羅列するものが多かった。ケース・スタディーになると議論が「とんでしまい」我々はこう考える、、、とジャッジメントだけが明かされることが多かった。
本書は、なぜそういう見解に至るかの理路が非常に分かりやすく述べられている。サンデルの議論を彷彿とさせ、それはロールズを引用していることからも明らかだ。
本書のもう一つ良いところは、想像力とユーモアがあるところである。想像力は応用力を生み、本書の特徴である「一貫性」の源泉になっている。ユーモアはあちこちにちりばめられ、それはブリティッシュなややシニカルなものだが、僕には楽しめた。それだけに、訳者の解説で、「このジョークの意味は、、、」的な解説があったのは残念。日本の倫理の専門家は上にfecesがつくほどまじめでユーモアがない。ユーモアがないからしなやかさがなく、だから想像力を欠く。想像力を欠いた倫理は現場の文脈が読めず、どうしても教条的になる。
小冊子で入門編的な本だが、中身はとてもパワフルだ。コロキアルで読みやすい本が、内容の軽薄さを意味しないことは、内田樹さんや村上春樹が実証している。must readである。
とんでもない。これは素晴らしい発見だった。
これまで読んだ医療倫理本は国内外問わず、比較的規範性が高く、カテゴリーや○○理論を羅列するものが多かった。ケース・スタディーになると議論が「とんでしまい」我々はこう考える、、、とジャッジメントだけが明かされることが多かった。
本書は、なぜそういう見解に至るかの理路が非常に分かりやすく述べられている。サンデルの議論を彷彿とさせ、それはロールズを引用していることからも明らかだ。
本書のもう一つ良いところは、想像力とユーモアがあるところである。想像力は応用力を生み、本書の特徴である「一貫性」の源泉になっている。ユーモアはあちこちにちりばめられ、それはブリティッシュなややシニカルなものだが、僕には楽しめた。それだけに、訳者の解説で、「このジョークの意味は、、、」的な解説があったのは残念。日本の倫理の専門家は上にfecesがつくほどまじめでユーモアがない。ユーモアがないからしなやかさがなく、だから想像力を欠く。想像力を欠いた倫理は現場の文脈が読めず、どうしても教条的になる。
小冊子で入門編的な本だが、中身はとてもパワフルだ。コロキアルで読みやすい本が、内容の軽薄さを意味しないことは、内田樹さんや村上春樹が実証している。must readである。
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