本棚にあった「大人は愉しい」を読む。内容は近年の内田本とほとんど同じだが、ネタと料理が若干異なる。amazonではあまり高い評価はないが、2007年の文庫判では評価が高まっている。同じ内容の近年の本が非常に高評価なのを考えると、本の質ではなく、むしろ我々が内田さんに遅ればせながらついてきた、というのが事実だと思う。
「ギャッビー」を参照して「犯人に感情移入してしまう」ことを肯定するところなんて、とても興味深かった。その前読んだ「ユリイカ」では、殺人を犯した五反田君に同情する主人公(ダンス、ダンス、ダンス)に、「そのことが理由で」散々ヒョウロンカにこき下ろされており、それが強い違和感になっていたからである。次郎物語と池田秀一、カール・ポパーとマルクス主義、ロッセリーニのロベル将軍、小津安二郎のラーメン屋でのデート、、、面白い発見も多かった。2001年の「書簡」では、朝日新聞で「インターネットが大学教育に危機をもたらす」という論説に反論している。昔からこの手の議論ばかりだな。新しい概念が若者の間で流行ると必ずくさす、という情報手段で、昔からずっとこういうパターンなのだ。マンガ然り、テレビ然り、ファミコン然り。いい加減、この語り口に飽きないのだろうか。
追記:旧ブログの方に「購読しました」さんからご指摘をいただく。
「予防接種、、、」
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細かいですか、スティーブ ジョブ「ズ」 と濁点付きます。
だそうです。ありがとうございます。マイルス・デイビスではなく、マイルズ・デイビス、、、みたいな感じですね。
コメント
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