非常に面白い本なのだけど、時間がないので流し読みになってしまった。申し訳ない気持ちです。時間ができたら(いつ?)精読したい。
素朴な疑問から探求がスタートする、というアプローチをとるこの本は、なぜある社会と別の社会の発達の仕方がこんなに異なってきたのか?いろいろな観点から吟味する。戦争、農業、文字、家畜、、、さまざまな観点から歴史の「なぜ」に迫る。もちろん歴史の探究であるだけにそこには「仮説」に過ぎないものもあるし、無茶ぶりなところもあるのだけれど、通俗的な理解で満足していた僕たちに「なぜ」の思いを植え付け、検証なしに当然視していた部分に疑問符を付ける意味ではとても価値の高い本である。なぜ中国が「あの」中国なのか、という論考はとくに興味深い。
家畜が感染症の原因である(こともある)という視点は納得だ。その事例も多くて勉強になった。発明は必要の母、という視点も興味深い。本当にそうだと思う。あるプロダクトが社会に流布するにはいろいろな社会的心理的要素がある。プロダクトの属性そのものだけでは決まらない。村上春樹のエッセイによると彼が走るときに聴く音楽は長くMDプレイヤーでipodみたいなのはずっと敬遠してきたそうだ。最近のインタビューではipod使いまくっているので、そこに長い「受け入れるためのインターバル」を要したのである。蓄音機も白熱灯も「必要」とされて活用されるのには、発明から長い時間を要した。グーテンベルグのずっと前から活字はあった。電子書籍もこのようなコンテクストで理解されねばならない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。