昨日は、神戸大漢方セミナー。西本クリニックの西本隆先生が漢方の基本的な講義をしてくださり、その後ゲストトークが続くという趣向である。総合内科の秋田教授がオーガナイズしてくださっている。系統的に漢方を勉強する機会はこのくらいで(すみません、、)大変勉強になっている。今回は日本大学板橋病院緩和ケア室室長の木下優子先生においでいただき、緩和ケアにおける漢方診療についてお話いただいた。緩和ケアと漢方薬は親和性がとても高いと思う。とても勉強になる。そうだなあ、緩和ケアが「がん」に特化しているのがやや納得いかないけど、それはもちろん、木下先生のせいではない。特定の抗がん剤対策としての漢方薬は大変勉強になったけど(抗がん剤の副作用の知識がない身としては、二重の勉強になりました)、なんとなく複雑な気分になったのだった。漢方セミナーは毎回大盛況。皆さんもご参加あれ。
本日は、京都府立医科大学の有薗先生に寄生虫学総論と蠕虫感染症について御講義いただく。本当、基礎医学者の話って面白い。あっという間に規定の時間を超えてしまい、愉しいときを過ごしてしまった。こんな愉悦な体験を仕事にしちゃっていいのかしら。寄生虫の歴史性と地域性、中間宿主の「意味」など、大変含蓄の深いお話であった。
有薗先生の素晴らしいところは、話に適度な沈黙があることである。そして分からないところ、仮説のところは「ここは仮説である」と明示される。場合によっては「ここはほとんど妄想なんだけど」とまでおっしゃる。誠実な科学者の言葉である。
僕はなんでも「即答しちゃう」知識人がどうも信用できない。「ああそれですか、それはもう分かりきっているんですよ」「はいはい、それももう言い尽くされているんですが」と全ての問題、森羅万象に答えが見つかっている(ときどき優秀「っぽい」官僚にもこういうタイプがいる)。こういうタイプは信用できない。問題の地平線が見えている知者は口ごもるのである。
他領域のエキスパートとの邂逅は本当に愉しい。快楽としか言い様がない。他者の言葉は愉悦なのだ。
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