何かを進めることが出来る人は、怒っている人です。現状に対する不満がなければ、進歩もない。もちろん、不平を言っているだけではダメで、他人に愚痴っているだけでもダメで、自分に出来ることは全部やらねばならない。そのうえで、不平。
昨日、訪問した病院は血培2セット率が93%。当院は50%ちょっと越えたところ。ここで喜んでいてはダメ。2007年の血培ガイドラインには、1セットの血液培養は「不適切」と書いてある。片肺のレントゲン写真のようなもの。胸部写真で片肺しかうつってなかったら、ふつう怒るでしょ。
半分近く不適切なのを、「採りにくい人がいるから」「小児を除けばちょっとあがるかも」「他の大学病院はもっとだめ」なんて言っていてはいけない。半分近く不適切なのに慣れてはいけない。
常識と非常識は区別しなければならない。できない言い訳ではなく、出来るための条件を言わねばならない。大学病院は良い病院になれないとか、なれなくてもよいとか、なれないのは仕方がないとか、微塵にも思ってはいけない。平均点で満足してはいけない。となりの病院と比較するなんてみみっちいことを言ってもいけない。医療機能評価程度の査定に満足してはいけない。彼らは何も、見ていない。大事なものは、そこではない。
今の常識を将来の常識と勘違いしてはいけない。今の方法論が未来永劫の方法論と決めつけてもいけない。上を見ろ、下を見るな。過去を見るな、未来を見据えよ。プライドと自己満足を混同するな。
というビジョンをもって、毎日出来ることをやる。できるところからやる。慌てなくても良い。三歩進んで二歩下がるでも良い。妥協も良い。打算も良い。回り道も結構。でも、現状維持の言い訳にしてはいけない。高い理想を持って泥の中を這い回るのだ。ただ目をつぶって這い回ってはいけないのだ。
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