書架にあった本を改めて読み直してみました。全部読むと大変なので、ポイントとなる折り曲げた部分を読んでみました。先に読んだ「安部英」と異なる立場の人たちが同じ問題を論じているので、比較しやすかったです。
2001年にでたこの本は数人が執筆を担当していますが、その根底にあるのは、「ゼロリスク神話」と「副作用が起きればそれは薬害」という信念です。まあ、人の立場はそれぞれなので、そういう考え方があってもいいとは思いますし、2001年はそういう時代だったのかもしれません。
私は櫻井さんというジャーナリストの正義感は疑っていません。本書の執筆担当者もいずれも正義の感情を強く持った人たちでしょう。ただし、正義感は議論の妥当性を担保しませんし、時にはそれを迷わせるやっかいな存在ですらあり得ます。
あとは、今この本(や関連するエイズ関連の著書)を読み直して、今の時代の目でやはり同じ主張をされるのか、櫻井さんにはそれを伺ってみたいな、と思います。持論に対する絶え間ない反省、限界点・コンセッションの容認、必要ならば持論の健全な撤回、、、、、それが本当に妥当な正義感のあり方なのだと思います。
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