removing the golden coat of Staph aureus
NEJM 2008;359:85-
・MRSA用の薬は細胞壁をターゲットにする、たんぱく分解を阻害する、細菌特有の生合成系を阻害する、が主。
・staphyloxanthinはカロテノイドの色素である。黄色ブドウ球菌が黄色いのはこのため。ここをターゲットに出来るか。
・人にはないから、ここの阻害剤は人毒性はあまりないだろう。
・in vitroではsqualene synthase inhibitorでstaphyloxanthinが減った。
・マウスの実験では、dehydrosqualene synthase 遺伝子を欠く突然変異体を腹腔内に注射しても大丈夫だった。ただし、鼻腔への定着率は変化なし。
・腹腔内の注入をdehdrosqualene synthase inhibitorで治療したら、殺菌効果が高まった。
・squaleneはstaphyloxanthinとコレステロール合成の前駆体で、ここを押さえればいいだろう。人間のコレステロールは食べ物で摂取できるから大丈夫、というのが理屈。
・staphyloxanthinはsuperoxide anion, hydrogen peroxide, hypochlorous acidなど好中球が作る物質を無毒化する。これがvirulence factorでは、という仮説有り。
・virulence factorの産生を押さえよう、というアプローチは実は新しい。
・これが臨床で使えるかどうかは、不明。まずいろいろな株のstaphに使えなくてはならない。株の中にはstaphyloxanthinを作らないものもあり、黄色くない。
・25−40%の人は黄色ブドウ球菌定着している。鼻や皮膚にくっついているだけでは意味がないが。その場合、定着菌は好中球の攻撃を受けないから、上記のような薬は効果無いだろう。なかなか面白い議論。toxic shock syndromeにも効果なしか。
"It seems unlikely that the approach used by Liu et al. will singly solve the therapeutic dilemma created by antibacterial-resistant isolates. It does, however, open the door to a new line of clinically relevant research."
勉強になりました。
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