S「ふ~、今日も終わった、長い回診。疲れたなあ」
D「じゃ、回診後の反省会でもやろうか」
S「え~~~回診の反省会なんて聞いたことないですよ。メンドクサ」
D「おまえ、最近、たるんでないか?若かったときのフレッシュな向上心はどこ行った?」
S「D先生の悪影響を受けてどんどん、やさぐれてます」
D「人のせいにすんな。例えばな、今日の回診の反省点は、、、、そう、「敬語」だな」
S「敬語?ぼく、敬語にはちょっとうるさいんですよ。ちゃんと正しい敬語を使ってたと思いますが、、、」
D「俺は言葉の「正しい」「正しくない」論争には興味ない。ら抜き言葉だろうが、ちゃんと通じれば気にしない」
S「そんなもんなんですか」
D「言葉の正しさ権威主義なんてクソ食らえだ」
S「だからあちこちからVXガスが飛んでくるから、止めてください」
D「そんなことより、「敬語の問題」だ。敬語の使い方が問題なのではない。使う対象が間違ってる」
S「え?」
D「まず第一に看護師。お前、すぐ看護師にタメ口きく癖がついてるだろ。そういう癖、3年目くらいに身につけただろ」
S「ドキ!」
D「個人的に親しくなって「相手もタメ口をきくような関係」になっていないかぎり、多職種には必ず敬語を使え。ナース、事務、薬剤師、検査技師、全てだ。医者のほうがタメ口をきき、相手が敬語を使うみたいなのを、デフォルトにすんな」
S「うう、それは痛いところを突かれた気がします、、、、しかもマナーの問題をよりによってD先生に指摘されるとは、S、屈辱」
D「ワ◯ピースの海軍少将のマネなんかせんでよい。かつてのお前がそうだったように、若手の研修医はこういうの、すぐ真似すんだぞ。気をつけろ」
S「確かに。うかつでした」
D「もうひとつ、お前が気づいていない「敬語」の問題がある」
S「え?まだあるんですか?」
第75回「研修医にも敬語を使おう」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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