最近、この手の本が多くなってきました。EBMという言葉が医学界でようやく定着してきて、これが一般にも広がってきた、という感じです。
新型インフルエンザの話をするとき、雰囲気で決めないできちっとデータを見ましょう、とよく申し上げています。情報のあり方、受け止め方は10年前のそれとは同じであるはずもないのです。
政治の世界にもエビデンスが必要、というのは同感です。心理学、脳科学なども同様で、これからガセネタはどんどん淘汰されていくように予想します。
心理学に何ができるか、と言う命題は、何ができない、何ができていないのか、という問いに換言できます。内部にいるインサイダー、心理学者は心理学のオールマイティー性を主張しがちになりますが、門外漢には正当に評価ができない。誠実な学者がこのような検証を行うのはすばらしいと思います。
こどもへの「育て方」の寄与するところは小さい、フロイトの学説に根拠はない、暴力的映像が暴力を引き起こす可能性は小さい、、、、テーマ、表題だけが上滑りして一人歩きをするこの国のアカデミズムを厳しく批判しています。スクールカウンセラーのあり方についても厳しい目が向けられています。とても興味深い本でした。
ラップ療法はまあ分かったから、あまり期待しないで読んだ本。
本当にすみません。僕はラップ療法、全然分かっていませんでした。
本書は実践的な話だけではなく、理路がしっかりと書かれた「考え方」を示した好著です。読んでいて目から鱗、細菌の話も気づきを与えられることが多く本当に勉強になりました。分かったつもりになった瞬間が一番危ないのだと、大反省です。スコアリングについてなどやや{?}な部分もありますが、そこはご愛敬。学会や医師に対する批判もおおむね当を得たものでした。お奨めです。
ヴィトゲンシュタインの入門書。言語ゲームと価値相対主義との接点、本居宣長や仏教の議論など、目からウロコの本。面白かったです。
あと、僕の中では第一次世界大戦という存在がとても大事になってきました。ヴィトゲンシュタインやヒトラーが参加した第一次世界大戦。ヘミングウェイ、フィッツジェラルドのいたその時代。そして、スペイン風邪。白洲次郎の伝記でも明治20年代にインフルエンザが流行り、、、というくだりがあり、あの頃の時代が僕にはとても近くなっています。
ワインの科学
亜硫酸が入っていても大丈夫。水のあり方、など勉強するところの多かった本。ブルーバックス、もっと読まないと、、、と反省。白州次郎 占領を背負った男
白州次郎、、、かっこいいなあ。楽しくてあっという間に読んだ本でした。たった1通で人を動かすメールの仕掛け
意外に、だめではない本。でも、10分で読破しました。微妙やなあ。
リーダーシップについて勉強していますが、ようやく納得いく本を見つけました。
リーダーシップ論は、本書で挙げられているように、the most studied and least understoodな領域です。リーダーとはこのような感じ、という「説明」はできても、どうやったらリーダーになれるのか、という条件は全くといってよいほど分からない。ところが、多くの本はこの未知の領域を「分かったふり」をして説明してしまい、credibilityを下げてしまう。心理学や脳科学の多くの本が陥るピットフォールです。オールマイティー性を謳うと、信用性が下がる。
その辺の不確定性や多様性にためらいを覚えながら、著者はダイアログを続けていきます。リーダーシップとその周辺は見えてきますが、明快にど真ん中に断言はできません。でも、そのように語ることができない、見ることができないものがリーダーの本質なのだと彼らは考えているように思います。とても勉強になりました。
武田さんの本はダイオキシンとかエコとかおもしろいものが多いのですが、これはとくによかったです。大麻に依存性は小さく、健康の害もほとんどないことは知られていました。昔、インターナショナルスクールでsubstance abuseの講義をしたとき、「どうしてマリファナはいけないの?」と小さい子どもに聞かれてうまく答えられなかったことを思い出しました。オランダでは合法のマリファナ。日本では、根源的に考えると、だめだしがくるときがあります。アメリカも、そう。911のあとでイラクに戦争を仕掛けたとき、あれはブッシュが勝手にやったのではなく、国民みんながそれを望んだのでした。「イラクがやったなんて証拠ないじゃない。そんなこと(戦争なんて)しちゃだめ」といおうものならボコボコにたたかれたのでした。
秘書さんに借りて読んだ伊坂幸太郎の小説。この人は僕と同い年です。初めてその小説を読みました。
エンターテイメント小説は結構好きなので(絵本からマンガから、何でもありです)すが、いい小説に当たることがマレなので、めったに読むことがありません。これは面白かったです。よくできているなあ。
マンガや映画もそうなのですが、こういう生命賛歌、人生賛歌のような話を臆面もなく語れるというのはとても大事だと思います。
脳科学でここまで分かった、みたいな特集が胡散臭く感じられて手にとった本。でも、内容はそういう本ではなく、脳科学から始まって、こころはどこにあるか、などより哲学的な内容を扱った本でした。期待はずれと言えば期待はずれでしたが、それはそれで面白い本でした。タイトルは、ちょっと、難あり。
知の欺瞞
前から読みたかった本。非常にエキサイティングな内容で、しかも緻密な準備をしています。でも関係者は怒るでしょうねえ。意味の分からないところは、とりあえずとばして読むようにしようかな。相対主義やポストモダンに対する鋭い、説得力ある批判。
臨床医学の誕生
机の上に積んでおいて、ずっと読めていなかった本。関心のあるところを集中して読んだら、わりとさくっと読めました。そういうことってあります。でも、今読み直すと無理矢理な気がしないでも、、、狂気についての記載は、さすがですが。
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