肺炎の治療後、どのくらいの期間をおけば全身麻酔をかけられるか?
<序論>
XXXX。手術前に肺炎が見つかった場合に、手術をどの程度の期間延期させるのがよいか疑問に思ったので調べた。
<本論>
全身麻酔をかける前に肺に関して行われるリスク評価は患者に関する項目と手術に関する項目があるが、患者に関する項目では年齢、COPD、喘息、喫煙、全身状態、肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、肺高血圧、心不全、上気道感染症、代謝や栄養の状態がある。(1)
上気道感染症の存在する患者にどのように麻酔をかけるかに関しての研究は、成人に関してのものは少なく、全身麻酔を行うか否かは、麻酔を行うことの利益と不利益と手術を延期することの不利益のバランスを考えて患者毎に個別化されて決定している。特に、COPDが背景にあり上気道感染も起こしている患者では、予定されている手術は延期され、感染に対する治療がまず行われる。COPDの状態が感染前のベースラインまで戻るまでの期間は様々であり、どれくらいの期間延期されるかはその患者による。(2)(3)
一方で、肺炎やCOPDのある患者では術前の安定化が推奨され、術前の酸素投与も必要であるという。(4)
<結論>
肺炎患者に限定して、治療後どのくらいの期間をあけて全身麻酔を行うのがよいかを示す論文はみつけられなかった。また、術前の肺炎やCOPDの安定化に関しても、どの程度を指標とするのか具体的な指標はみつけられなかった。以上より感染のある患者でどのくらいの期間手術を延期するべきかというのは分からない。担当患者について考えると、肺炎に加えてCOPDが存在するため、肺炎の治療後にCOPDの状態も指標にして手術時期を決定するのがよいと考える。
<参考文献>
(1)Up to date Evaluation of preoperative pulmonary risk
Author:Gerald W Smetana, MD
(2)Up to date Anesthesia for adults with upper respiratory infection
Authors:Andres Oswaldo Razo Vazquez, MDStanley Rosenbaum, MA, MD
(3)Lumb AB. Pre-operative respiratory optimisation: an expert review. Anaesthesia 2019; 74 Suppl 1:43.
(4)Anesthesia for Patients with Respiratory Disease and/or Airway Compromise
Author links open overlay panel TamaraGrubbDVM, MS, Dipl. ACVA
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