YSQ「ペースメーカー感染による、ペースメーカー抜去後の再移植はいつ行うべきか。」
【序論】
ペースメーカー感染でXXもし再度埋め込みが必要な場合は、いつ行うべきなのか疑問に思い調べた。
【本論】
Up to dateのアルゴリズムによると、ペースメーカー再移植は経食道心エコー(TEE)と血液培養の結果によって推奨される再移植の時期が異なる。TEEで弁に感染がみられる場合、ペースメーカー抜去後の血液培養が少なくとも14日間陰性となれば新しいデバイスを埋め込むことができる。リード感染がある、または菌血症がありTEEで感染がない場合は、抜去後の血液培養で少なくとも72時間陰性であれば再移植可能である。TEEで所見がなく、血液培養も陰性の患者には、局所感染症が十分に抑制されたら再移植できる。
Muhammad R. Sohailらは、1991年1月1日から2003年12月31日までの間にMayo Clinic Rochesterに入院したCDI(cardiac device infections)患者全員の遡及的レビューを行った。189人の患者がCDI(ペースメーカー:138人、植え込み型除細動器:51人)の基準を満たした。新しいデバイスの再移植は、127例(67%)の症例で必要とされた。抜去から再移植までの時間の中央値は、非菌血症患者と比較して血流感染患者で有意に長かった
(13日vs7日、p <0.0001)。血液培養が陰性の場合、新しいデバイスは3日で移植された。コアグラーゼ陰性ブドウ球菌患者における抜去から再移植までの期間の中央値は7日であり、それと比較して黄色ブドウ球菌感染の場合は12日と遅かったが、有意差はなかった(p=0.09)。
【結論】
上記の研究から、血液培養の結果によってデバイスの交換を行う時期が異なることがわかった。しかし、新しいデバイスの交換時期と再感染のリスクを検討した前向き試験データはなく、適切な時機は未だ確立されていない。これからも研究が必要である。
参考文献
・Up to date Infections involving cardiac implantable electronic devices: Treatment and prevention
・Management and Outcome of Permanent Pacemaker and Implantable Cardioverter-Defibrillator Infections J Am Coll Cardiol. 2007 May 8;49(18):1851-9.
・Update on cardiovascular implantable electronic device infections and their management: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation. 2010 Jan 26;121(3):458-77
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