医学部5年生のBSLローテーターたちに事務的連絡です。
神戸大学病院感染症内科ではBSLローテート中の学生に担当患者に関連したレポート作成を課し、評価の根拠の一つとしています。
当初は不慣れな学生がレポート作成に時間がかかりすぎ、病棟での実習に支障が出るといった逆説が生じました。よって、レポート作成時間を5時間以内と定め、実習や私生活(部活など)に影響が出ないよう配慮しながらレポート作成することを要求しました。また、これは多忙な医師になったときに短時間で自分の臨床クエスチョンへの回答を獲得するチカラをつけるためのトレーニングでもありました。何日もかけないと必要な情報が得られないようでは、とうてい多忙な臨床医が患者に必要な情報を業務時間内に得ることなどできっこないからです。
ところが、複数の学生がこの5時間ルールを破り、長時間かけて、「できの良いレポート作成」に勤しんでいたことが分かりました。一所懸命勉強し、またよいレポートを作ろうと頑張るのはよいことですが、ルール違反はこの世界ではご法度です。私との信頼関係の破綻でもあります。自分の都合でルールを破り、論文を書くような輩が少なくないから日本の医学界の論文は海外で信用されなかったりするのです!ルールを守れない人間は、この世界で生きていく資格がありません。このことを黙認していた当科医局員の責任も大きいです。重大な過失として、反省を求めています。
これまでは学生の自主性と良心にまかせてレポート作成時間は自己管理としていましたが、その信頼は裏切られたのでルールを変えます。
1.月曜日に担当患者を得てから、火曜の朝までに患者に関するリサーチクエスチョンを考え、レポートのテーマとすること。スーパーバイザーもそのときつけて、タイトル作成の支援をします。レポートのテーマは疑問形で作ること。「なんとか病について」とかいうタイトルはダメです。
2.火曜の朝に岩田がタイトルを推敲して、必要なら改善案を出します。
3.そのテーマに従い、火曜日の正午まではレポート作成時間とします。作成時間はおおよそ5時間前後となるでしょう。医局員やぼくへの質問はありですが、診療の妨げにならないような配慮はしてください。
4.12時締切でスーパーバイザーと岩田にメールでレポートを送付。締め切り厳守。バイザーはレポートを直さなくてよいですが、できればその日のうちに講評を行うこと。
5.水ー金の間にレポートの評価を岩田と行います。
備考
1.レポートはA41枚、片面に収まるようにまとめること。短くまとめる練習をして、余計な情報を捨象するためです。
2.出典を明記し、引用文献は決められた形式でリストにすること。おすすめはZoteroの使用ですが、他のアプリ・ソフトを使ってもいいです。時間がないので手でタイプするような無駄は回避すること。効率よい仕事は良い仕事です。
3.レポート作成時には、患者の個人情報は守るよう配慮すること。患者名を入れるのは論外で、IDや年齢性別の組み合わせでも患者は特定できることを知っておくこと。
以上です。その他、質問などあれば個別に受け付けます。
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