神戸大学病院感染症内科ではフェロー(後期研修医)を募集します。
1.神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科とのジョイントコース (6年間:3年間+3年間)
2.洛和会丸太町病院 救急・総合診療科とのジョイントコース (6年間:3年間+3年間)
感染症のプロになるためにはまず全身を診る能力が必要です。感染症とそれ以外の疾患との鑑別も必要ですし、感染症が各患者全体の中でどのような位置を占めているかも理解できねばなりません。全科の患者の感染症診療をサポートする上でも、他科や他科疾患の理解は必須です。そのため、感染症を専門にしたい医師の皆様には初期研修修了後に数年間のGeneralistとしてのトレーニングを行なってから感染症のフェローシップをスタートすることをおすすめしています。
その基礎トレーニングとして、救急領域や総合診療領域で非常に質の高いトレーニングを提供している神戸市立医療センター中央市民病院と洛和会丸太町病院のご協力をいただいております。初期研修修了直後の方にはどちらかの病院で3年間のトレーニングを通して臨床医として高い総合力をつけていただき、その後に神戸大学病院で3年間の感染症のフェローシップを受けていただきたいと思います。
注)来年度以降の、各種専門医制度については各医療機関のプログラムのルールに則ります。ご相談ください。
3.神戸大学病院を中心としたコース(3年間)
既に臨床医としての基礎的なトレーニングを終えた方には最初から神戸大学病院での感染症のフェローシップに参加していただきたいと思います。こちらも奮ってご応募ください。
募集対象者
国籍・年齢・性別・障害など、特別な条件はありません。一緒にお互い働きやすい、相思相愛でチームの一員になれる方を募集します。なんといっても相性が大事ですので、ぜひ一度遊びに来て、実情をみてやってください。
多様性も大いに尊重します。バリバリ働きたい方も、マイペースでやりたい方も是非どうぞ。
感染症についての知識はフェローシップで身につけていただきますので、現段階での感染症の知識や技術、これまでの感染症診療の経験はとくに問いません。
当院の特徴
550万人を超える人口を持つ兵庫県は神戸市中央区に位置します。920床という大規模な病院で診療科も数多く揃っており、県内中から専門性の高い治療を必要とする患者さんが紹介されてきます。神戸市の中心である三宮から自転車で10分ほど(2.7㎞)に位置しており、JR・阪神・阪急・地下鉄の駅が徒歩10分程度の範囲にあって交通の便は極めて良いです。大阪まで30分、京都までは1時間ほどで移動できますし、新神戸駅からの新幹線や神戸空港・伊丹空港・関西国際空港を利用することで国内・海外へのアクセスもきわめて便利です。
病院周囲には住宅街が広がっており、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店は数多くあります。街の中心からはやや外れていることから家賃や物価はお手頃です。海に面していることから気候は温和で、六甲山系で雪雲が遮られるためか降雪はほとんどなく、交通の便が良いことと相まって住環境は申し分ありません。都会と田舎の良さが同時に味わえる環境です。お子様の教育環境もよいですし、保育所も比較的探しやすいです。配偶者の就職先も見つけやすいと思います(職種によりますが)。
感染症内科の特徴
当科は教授、准教授などアテンディング5名、フェロー4名、秘書2名の合計12名のスタッフという陣容です。感染症のフェローシップ(後期研修)を開始してから今年で10年目。修了生(20名以上)は日本全国様々な地域で施設の感染症診療、感染症対策のリーダーとして活躍しています。また感染症だけでなく、内科他領域や救急・集中治療、家庭医療など様々な分野で活躍している修了生もいます。感染症に強ければ内科系、外科系問わず、たいていのセッティングで活躍できますので、非常につぶしが利くプログラムです。
内科系・外科系、小児科や産婦人科も含めてすべての診療科からコンサルトを頂いています。感染症としての総合性を身につけるにはうってつけのプログラムです。常時50人程度の患者さんを併診しており、年間のコンサルト症例数は1000例近くになります。また、HIVやマラリアなどの輸入感染症、不明熱の患者さんは自科で入院を受け持ちます。外来ではHIVや結核、STDのマネージメントや予防接種の実施、旅行医学の実践も行っています。神戸市のフラッグシップ病院である神戸市立医療センター中央市民病院とタイアップすることで多数の救急症例なども経験できます。
当科での研修の特徴
・とにかく院内感染症(外科系、内科系、マイナー系)を豊富に経験できます。
・固形臓器移植、幹細胞移植患者、分子標的薬使用者など、大学病院ならではの感染症も経験可能です。
・HIV/AIDS、熱帯医学、予防接種、旅行医学など、比較的専門性の高い外来患者さんのマネージメントを経験できます。
・厚労省熱帯医学研究班メンバーなので、マラリア治療薬など、希少薬の使用も経験可能です。
・感染症学会の認定施設であり、3年間で専門医の取得に必要な研修期間を満たします。
・細菌検査室の検査技師さんのレヴェルが高く、関係は極めて良好なので、微生物や検査についても学ぶ機会が多いです。検査技師さんとの院内での合同レクチャーや院外での勉強会も豊富にあります。
・毎日カンファレンスがあり、フェローのたてた方針にアテンディングからのフィードバックが入ります。熱いカンファは当科名物です。
・ジャーナルクラブなどの勉強会を通して英語文献の読み方、批判的吟味の仕方、EBMなどを学ぶことができます。論文執筆、臨床研究にも積極的参加できます。
・医学部学生・研修医へのレクチャー、レポート指導など幅広く教える機会があるため、人にものを教える力が身につきます。
・教科書や雑誌の総説などの執筆、翻訳のチャンスは多く、ものを書いたり上手に説明をする訓練を積むことができます。
・兵庫県内はもちろん大阪や京都など近畿圏の病院と合同での勉強会をたくさん開催しており、高名な感染症科医や同じく感染症を目指す若手医師とも活発に交流することができます。
・英国、タイなど様々な国の留学生が実習に参加し、そのときは回診はすべて英語で行うなど、英語を使用する機会が多くあります。英語での指導やカンファレンスでのプレゼン能力も身につきます。
・希望により抗菌薬適正使用プログラムBig Gun Projectに参加可能です。追跡型抗菌薬適正使用プログラム(ASP)を学べます。
・海外で医療支援の活動をする機会もあります。(ケニア、カンボジアなど)
・神戸医療センター中央市民病院で3ヶ月間の院外研修を行います。コモンな市中感染症や救急症例が非常に豊富なだけでなく、一類感染症指定医療機関なので、エボラ出血熱その他の感染対策や診療のチャンスもあります。ここで感染管理業務も学べます。
・3年間の研修の内1ヶ月は国内外の希望する医療機関で研修を受けることが可能です。東京都立小児医療センター(小児感染症)、国立国際医療研究センター(旅行医学・渡航医学)、米国の病院での研修実績があります。
・20時以降の勤務を原則禁止しており、緊急の呼び出しなどがなければ業務終了が遅くなることはまずありません。(大体18時くらいには帰宅できることが多いです)。週最低24時間の連続オフが保証され、当直明けは業務禁止です(これは権利ではなく、義務です)。夜間や週末は当番制をしいてきちんとオンオフの区別ができるようになっています。育児、介護、ハンディキャップのある方の労務調整も配慮致します。
フェローシップの修了
3年間のフェローシップ修了時には当科名物の卒業試験があり、感染症の知識を問われるのはもちろん、教育や医療倫理、コミュニケーションも必須項目になっています。試験に合格すれば日本全国どこでも自立した感染症のプロとして生きていけるはずです。
フェローシップ修了後は医局に縛られることはありません。医局費その他の制約はなく(就職先の斡旋はあり)、修了生は近畿を中心に地域や科を問わず広く活躍しています。感染症のトレーニングは他科に行っても役立ち、修了生には家庭医、集中治療医、腎臓内科医、呼吸器内科医、救急医など他科で活躍する医師もたくさんいます。
まずは当科を見学していただき、その雰囲気を実際に見ていただければと思います。1日、1週間、数ヶ月など多様な見学、研修を受け入れています。
選抜試験はなく、面接で直接お話しする機会を通して採用の可否を判断させていただきます。
また、医学研究科感染治療学分野の大学院生と短期研修生(1~3か月)も合わせて募集しています。
給与、バイト、書類その他の詳細については面接時に個別にお問い合わせください。
見学・研修・フェローシップ希望の方は、kobeidアットマークmed.kobe-u.ac.jpまで連絡お願いします。
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