S「ああ~~~またCRBSI(いわゆるカテ感染)だ。もうやんなっちゃうな」
D「またかよ。ちょっとうちの病棟、多すぎるぞ」
S「今回もですねえ。発熱時に診察に行ったら、バッチリ前腕に発赤と腫脹があって、静脈もゴリゴリに硬くなってました」
D「なんでそんなになるまでほっといたんだ」
S「まあ、毎日の点検を怠ってたんでしょうねえ」
D「ナースとドクターと両方が怠ってどうする?」
S「確かに。日々のルーチン・ワークの質を上げるって簡単なようで難しいですねえ」
D「そんなことはない。それはルーチンをルーチンにしていないからそうなるんだ」
S「はあ?」
D「お前、ウンコしたあと、紙使うか?」
S「当たり前じゃないですか、、ていうか、お食事中にこれ読んでる人にも配慮してくださいよ」
D「食事中にブログ読んでるような「寂しい人」はほおっておけ」
S「うわ~~冷たい」
D「さて、だれだってウンコをすれば紙で拭く。忘れることも、間違えることもない。今日は疲れてたとか、当直明けだとか、夜中だったからという理由で紙をナシに済ますやつはいない」
S「そうですねえ」
D「これが、本当のルーチンだ。患者を見たら、必ずくっついているデバイスをすべてチェックする。カテの刺入部に炎症所見がないか、確認する。研修医のときにこれを徹底させるんだ。それをしないと「生理的に気持ち悪くなる」まで。50回もやれば、こちらが何も言わなくても必ず自然にやるようになる。手指衛生とかもそうなんだぞ。俺様は患者を見る前と見たあとで必ず手指消毒するけど、別に何も考えていない。生理的に自然に体が動くし、もし手指消毒しないと、気持ち悪い。ウンコしたあと紙使わなかったときみたいだ」
第83回「指差し点検をしよう 毎日しよう」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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