S「ふー、今日も回診、お疲れ様~」
D「お疲れさん。しかし、今日の研修医のプレゼンはいけてなかったな」
S「そうですか?ちゃんと網羅的に鑑別疾患を挙げていたじゃないですか。よく勉強してるな、って思いましたよ」
D「網羅的にやってるから、ダメなんじゃないか」
S「長谷川豊ですか?」
D「もうみんな名前忘れてるぞ」
S「だって、見逃しをしないためには、網羅的に診断仮説をたてるんでしょ。定石じゃないですか。ていうか、D先生だってよく「見逃さないためには仮説は全部出せ」って言ってるじゃないですか」
D「もちろん、言ってる」
S「じゃ、何がいけないんですか」
D「網羅的に仮説を出すのは前提だ。そこにはなんら問題はない。問題は、「網羅的に仮説を出しさえすればいいのか?という問題だ。
S「??」
D「それでは不十分じゃないのか?って話だ」
S「まあ、そりゃ研修医ですから、完璧なプレゼン言うのは難しいとは思いますよ」
D「違う。研修医がプレゼンで間違えることがダメだと言っているのではない」
S「じゃ、何がいけないんですか」
D「研修医がちゃんと考えてプレゼンしてないのがいけないんだ」
S「ちゃんと考えてるから、鑑別疾患きちっと出せてるんじゃないんですか?」
D「「ちゃんと考える」とはどういうことだ?」
S「???」
第77回「可能性を量化させよう」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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