I「さて、今回読んだperspectiveはJames Colgrove, Ph.D., M.P.H.さんが書いています」
M「PhDは博士号でしたっけ」
I「ま、細かい議論はあるかもしれませんが、ざっくり言えばそうです」
M「MPHは?」
I「master of public health、公衆衛生修士ってことです」
M「公衆衛生の専門家なんですね。お医者さんではないんですね」
I「医者ならMDとかDOと付いているでしょう(DOについての説明は今回、割愛!)。看護師さんならRNとかNPですね(これも割愛)。さて、このperspectiveにはコメントが載っています。こうやって議論するところが欧米らしいです(いいとこです)。昔は雑誌上だけで議論してましたが、最近はネット上での議論も加わり、迅速でライブリーな議論が可能になりました。vinu arumugham さんのコメントです。http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1608967#t=comments
Why no discussion of vaccine safety, effectiveness, before coercion?
なぜ、ワクチンの安全性や有効性を議論しないのか?強制の前に?というタイトルですね。
1. The FDA discovered 17 years post licensure, that the acellular pertussis vaccine DOES NOT prevent transmission.[1] It DOES NOT offer mucosal immunity. Vaccine recipients can become colonized and SPREAD the bacteria as asymptomatic carriers. The EXACT OPPOSITE of herd immunity. Worse, such colonization increases risk of multiple sclerosis.
FDA(米国食品医薬品管理局)は承認17年後、無細胞型の百日咳ワクチンが伝播を防がないことを発見した。粘膜免疫を提供しないのだ。ワクチン接種を受けても菌が定着し、無症候性キャリアとして広げてしまう。「群れの免疫」とは真反対だ。そのような定着は多発性硬化症のリスクを増してしまい、むしろ事態は悪くなる。
2.TdaP pertussis effectiveness wanes.[2]
TdaP(青少年用百日咳ワクチン)の効果は時間が立つと失われていく。ここでもwaneを使ってますね。ワクチンの効果が時間とともに落ちることを表現する必須単語です。
3. Food protein contaminated vaccines cause the development of food allergies per the IOM.[3,4]
ワクチンに含まれる食物蛋白はIOMによると食物アレルギーを発生させる。
4. Flumist flip-flop, more proof, vaccines are poorly understood.
flumist(インフルエンザの生ワクチン)は(効果の評価が)コロコロ変わり、ワクチンはあまりよくわかっていないという証左である。
だそうです。どう思いますか?」
M「うーん。各論的な議論ですけど、「法律か、否か」の議論とはずれてるような」
I「ま、タイトルが「そんな議論している場合か」的ですもんね」
M「やっぱ、ワクチン、もめますね」
I「はい、まずはいろんな意見がある、ということを知ることから始めましょう。NEJMに載った論文だからといって「神の啓示」ではありません。おかしなことは「おかしいぞ」と異論をとなえるのは自由です。でも、このコメントのようにちゃんと引用文献をひいてロジカルに議論するのが大事ですけどね」
M「結局、論理的でなければ英語力あっても意味ないってことですか」
I「そのとおり。日本語であっても論理的でなければ健康のプロとして、責任あるコメントはできませんよ」
英語は難しくありません。少しずつ学んでいきましょう。
今日のポイント
・レターなど、異論、反論もきちっと読み込むことが大事。論文を読むとは批判的に読むこと。ただ、翻訳するだけでは、意味がありません。
今日学んだ単語:今日はないよん。
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