教科書は英語ですか?3
I「さ、次に世界保健統計の「うら」をとりましょう」
W「うらって?」
I「ウェブ上にはガセネタがたくさん散らばっています。さっき探したサイトだって、適当なことをでっち上げたインチキサイトでないという保証はありません」
M「疑り深いですね~」
I「なにごとも疑ってかかるのが、この業界の常識です。例えば、WHOによると、、、なんて引用する場合も、日本語ウェブサイトをそのまま引用するのはまずいかもしれません。信用できるデータを確認したければ、必ず原典をたどりましょう」
W「性格、ゆがんできませんか」
I「そういう意味ではあなたは感染対策に向いてるかもしれませんよ」
W「うぐっ」
I「さて、かわいい研修医をいじくるのはこのくらいにしといて、World health statistics 2016でググってみましょう。statisticsは統計という意味ですね。でてきました」
http://www.who.int/gho/publications/world_health_statistics/2016/en/
I「で、この報告書の第3章に欲しいデータが載ってるようです」
http://www.who.int/entity/gho/publications/world_health_statistics/2016/EN_WHS2016_Chapter3.pdf?ua=1
I「8ページに地域ごとの平均寿命が載ってます。日本の所属する西太平洋地域western pacific region, WPRは右下ですね」
M「日本はJapanですね。これくらい知ってますよ」
W「次がSingapore, Australia, でRepublic of Korea、これは韓国ですね」
I「そう。略称はSouth Korea(南朝鮮)ですが、直訳すると朝鮮(Korea)共和国(Republic)ですが、大韓民国が正式名称です。ちなみに北朝鮮(North Korea)は正式にはDemocratic People's Republic of Koreaとなります。democraticは民主主義の、peopleは人々ですね。朝鮮民主主義人民共和国と訳されます」
M「どこが民主主義やねん」
I「ま、そのへんのきな臭い話は横においておいて。ついでNew Zealand、それからBrunei Darussalam、これはブルネイです。ブルネイといえば、日本と同じ時期に麻疹排除宣言を出した国として私は記憶しています(もう一カ国はカンボジア)。平均寿命は日本同様優れていますが、麻疹の排除には日本と同じくらい苦労したんですね(詳しくは http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2015/20150327/en/)」
W「なんか、いろいろ分かってきて面白いですね」
I「そう、面白い。まずはそれが大事なんです。国の名前が並んでるだけだから、英語でも全然怖くありませんね。猜疑心を持って原典にあたり、好奇心を持って新しい知識に喜びを覚えるのです。英語を苦痛の対象としてはいけません。あくまでも快楽の道具です」
M「快楽の道具、、、ってなんかヤバゲな大人の会話ですか」
I「そう、大人のおもちゃが、、、ちゃうわ!」
英語は難しくありません。少しずつ学んでいきましょう。
今日のポイント
・ウェブサイトは裏を取らないと危うい。
・英語で新しい知識を得るのは苦痛ではなく、快楽
今日学んだ単語:statistics, Republic, Korea, Democratic, Brunei Darussalam
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