献本御礼
本郷先生と岡先生のタッグなので、マッチョで根性の本になると思っていたけど、やっぱりそうでした。
それにしても、悔しい。
こういう本を自分でも作りたかったのである。画像のきれいさやマニアックな解説は日本の専売特許なのである、本来。それをサイナイの連中に先取りされたのは、率直に悔しいことである。本の数十ブロック南でトレーニングを受けた岩田はそう思う。
悔しいということは、本書が非常によくできた本だということだ。本書に挙げられている症例は、感染症屋なら全例知っておくべき必須項目ばかりである。しかし、マニアックでもある。それをきれいな写真と簡潔なる解説でまとめあげる力量はさすがである。NYCのインターシティーラウンドのよさが、ここにまとめられている。賭けてもよいが、本書はニューヨーク市のインターシティーラウンドで出されたケースを束ねた本である(インターシティーラウンドとは、ニューヨーク市の感染症フェローたちが症例を毎週月曜日にプレゼンし、指導医たちがそれをこき下ろしたり、診断をあてっこするという丁々発止の会合のことである。これでフェローの力は飛躍的に伸びる。関西のfleekicはこのインターシティーラウンドをイメージした後期研修医向けのマニアックな会合である)。
感染症屋を目指す後期研修医にとっては本書は必読の本である。本書を読んで納得、納得、というレベルは、感染症屋の免許証もらえますよ、のレベルとほぼ同義と言ってよいと思う。なにしろ、あちらの後期研修医(フェロー)がまとめた本なのだから。本書は後期研修医のレベルを測る格好の登竜門である。
繰り返す。ああ、悔し。だいたい、NEJMやCDCの図を転載したり、ちょっとずるいんだよな(負け惜しみ)。
二番煎じになるのは承知で、このような本を日本から出すべきだ。絶対に。でも、その前に本書は取りあえず読むべきだ。それからだ、反撃は。
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