2008年の初版から5年、改定されて分厚くなりました。まだ、ネットにはでてませんね。緑の表紙です。
で、何が変わったかというと、、、岩田がとくにここだ、とおもった点は次のような感じ。
冒頭の総論が青木眞先生から笠原敬先生に。細菌感染症でも抗菌薬が必要ない場合もある、と明記されているのは、素晴らしい(p9)。
2008年のCLSI基準の変更を受けて、肺炎球菌のペニシリン耐性菌について加筆(p21)。ただし、実際の治療については変更がない(p231)
耐性菌(舘田、以下敬称略)で、マクロライド耐性マイコプラズマについて加筆(p26)。
アシネトバクターに対する大量amp/sulbactamについて記載。おお、そういえば、矢野先生が化療学会略語を使ってはる。今気づいた、、、、(p49)
小児感染症におけるBLNARに対する立ち位置への記載が詳しく、、(p49)
2010年IDSA腹腔内感染のガイドラインが数箇所反映されている。ただ、日本にアプライできるかというと、、、(p57)
経口セフェムについての記載が追加。三世代には厳しい評価(p73)。ただし、歯科感染症については甘々(p301)
カルバペネムの高容量について記載(p113)、また初めて医療経済性についても議論がなされている(p118)
メトロニダゾールの項が新たに。保険適応の拡大もあり、詳しく解説(p178)
バンコマイシンのMRSAに対するTDMの記載追記(p190)
ダプトマイシンについて大幅追記。学会ガイドラインと異なり「第一選択薬」とは決めつけていない(p194など)
カスポファンギンについて追記(p203)
抗ウイルス薬(ヘルペス属とインフル)の章が追加(p212-)
術後感染予防、相互作用について新たな章追加。大事です。術中抗菌薬にピペラシリン、、というのが整形外科、心臓血管外科、産婦人科などでときどき言及されていますが、本テキストではバッサリ。SSDについても一定の見解。
腎機能低下時、透析時の用法について新たな章。CHDFについては日本独自のやり方のためか、言及できず?
歯科感染症の章が追加。ただし、予防的抗菌薬の記載や上記の経口セフェムの問題もあり、ここは突っ込みどころが多い。
最後に、利益相反を明記したのは大きな前進だと思います。
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