WHO中国代表マイケル・オライリー医師の記者会見の記録
中国に置けるH7N9の最新状況
2013年4月19日 こんにちは。ようこそおいでいただきました。本日は、鳥インフルエンザA(H7N9)について最新情報を提供したいと思います。WHOと中国の協力体制についても少し触れ、質疑応答の時間も持ちます。
最初に、ミッションについて。今週、WHOと中国の国立健康家族計画委員会が、専門家たちの中心となる恊働派遣団となっています。これは中国政府の招聘によるものです。専門家たちはH7N9流行地を訪問し、状況を検証し、疾患の予防、制御についてアドバイスをします。
私もチームに参加します。上海と北京にあるいろいろな場所を訪問する予定です。
我々のチームには外国、そして中国の疫学、検査、診療、その他の専門家たちがいます。我々は様々な専門家にも会う予定です。
このミッションは現在進行中で、まだ報告するような発見に至っていません。最終的には、来週頭に北京に戻り、チームはそれぞれ見つけたことを議論し、最初の推奨を発表しようと思います。中国国立健康家族計画委員会は、ミッションの発見したことを後に発表すると言っています。
このチームの存在の重要性については特に強調しておきたいと思います。これは実施中の国際協調の具体的な一例なのです。これはまた中国が状況調査にオープンであることを示す一例でもあります。現在起こっていることに変化はなく、毎日散発的な症例報告がされ続けており、我々のリスクアセスメントそのものは変化していません。また、調査そのものにも懸念はなく、中国当局は調査の充分な能力を示しています。ご存知のように、情報は迅速に、各所から公表されています。我々はこの透明性にも協力体制にも満足しています。
さて、このミッションは国際インフルエンザ専門家が、この新しいウイルスについて最前線の人々の知見から学ぶ機会となっています。また、これは中国の地域専門家が、自分たちの疑問を世界の専門家たちにつなげる機会でもあります。公衆衛生の世界にはほとんど国境はありません。疾患はどのような国にも発生でき、国境など顧慮しないからです。インフルエンザ専門家たちの国際的なコミュニティーにおいて中国は重要な役割を演じていますが、これこそ「世界は一つ」という見方の好例なのです。
さて、他に議論することがあったでしょうか。みなさん、同じようなご質問をお持ちと思います。
例えば、ウイルスの発生源です。これまで分かったところでは、家禽が伝播の担い手になっているようです。しかし、疫学者たちは強固で明白なつながりを確立したわけではありません。しかし、いずれにしても適切に調理された鶏肉を食べて感染したのではないようです。こういう鶏肉は食べても安全と考えられています。
動物側から考えると、家禽や野鳥を何万も調べて、ほんの僅かなH7N9しか見つかっていません。豚からは見つかっておらず、病気の動物からも見つかっていません。H5N1とは対照的です。これは我々がもっとよく知っている鳥インフルエンザで、15年以上も我々は取り組んできたものです。このように動物における事情は異なり、感染源と目されるものも異なり、我々は未だ、感染源についてははっきりしないままです。
おそらく、まれな例外は別にすれば、人人感染は起きていないと我々には分かっています。H7N9感染者と濃厚接触のあった何百と言う人々、全ての医療者、ご近所、家族などですが、ほんのごく僅かだけが病気になりました。これらはごく僅かな疾患の集団(クラスター)であり、専門家が特別な注意を払っているものです。
今週、非常に悲しいケースを確認しています。父親と二人の息子のケースで、皆病気になり、父親と弟が亡くなりました。専門家は、父親と兄の両方の血液検査でH7N9が見つかったと言っています。こちらの息子の方は肺炎からもう回復しています。
ある人が他の人に疾患を伝播させていることはあるかもしれません。あるいは彼らみんなが同じ感染源から曝露したのかもしれません。はっきりしたことは申し上げられません。しかし、はっきりさせておきたいことは、人から人に感染が起こりうるか懸念は残るにせよ、そうやすやすと起きることではなさそうだ、ということです。でなければ、我々はもっとたくさんのこうしたケースを目にしているでしょう。我々はまだ、簡単で持続するような人人感染を見いだしていません。このことについては、我々は最も警戒していますから。
今後数日、こうした疑問にチームは焦点を当てています。我々にも知りたいことはたくさんあり、あなたがたもそうでしょう。ですから、我々はこの機会に、この問題に応じて最前線にいた人々と綿密に仕事をする機会を与えられたことを光栄に思っています。
我々の仕事は、さらに知識が得られたら、科学の業界、特別な問題に関係した人々に、この問題に注目している他の国に情報を提供し続け、直面しているリスクの分析をさらに深めることです。
その準備はまだ完了したわけではありませんが、我々はまたメディアにお話しする機会をえるつもりです。少なくともこのミッション終了のまえに一回はそうするでしょう。
このことは申し上げておかねばなりませんが、我々の公衆衛生上のアドバイスは、同じです。鶏肉はよく焼いて食べねばなりません。内部温度が摂氏70℃になるまで熱し、ピンクの部分があってはいけません。生肉を扱った調理器具は分けておき、清潔にしてから再度使用しなければなりません。定期的に手を洗わなければなりません。もし、病気の親戚を見舞っていたり、医療従事者であったのなら、感染管理方法をとって自らを守らねばなりません。
さて、少し質問を受け付けましょう。
ジャーナリスト:AP通信社です。このチームにどのような専門家がいて、どの地域に着目しているのか、もう少し詳細を教えてくれませんか。とくに、彼らは実際どこからくるのですか。それから、上海の家族集団発生以外の人人感染についても。他の症例も懸念事項だと思いますが?
ジャーナリスト:それと、専門家は何人いるのですか?
マイケル・オライリー医師:はい。専門家のチームについては、全部で15名からなっています。5人くらいは中国政府から、中国CDCからの仲間たちと、省庁からです。4人はWHOの専門家で、2人はここのカントリー・オフィスから、1人はマニラ支局から、2人はジュネーブ本部からです。ですから、5人のWHOスタッフが同行します。ジュネーブとマニラからはこの問題に関するトップの専門家たちです。国際的な専門家チームは4カ国からなっています。アメリカ(米国疾病管理予防センター)から。そこにはインフルエンザ協力センターがあります。他にも協力センターはオーストラリア・メルボルンにもあります。インフルエンザについては今回のミッションに、香港からの専門家もいます。この方も動物のウイルス学について相当な経験をお持ちです。それから(ヨーロッパ予防管理センターから)の疫学者と専門家。というわけで、WHOスタッフ以外の国際専門家チームは、ヨーロッパから、アメリカから、オーストラリアから、それから香港から、となります。
クラスターについては、二つ目の質問がありました。3つのクラスターが正式に報告されています。そのうち一つについては申し上げました。父親と二人の息子のケースです。そのうち二人、父親と亡くならなかった方の息子でH7N9が確認されました。これがクラスターの一つです。他にも一人の親と一人の子供のクラスターがあります。娘が非常に重症の親を看護していました。そして彼女自身もH7N9で病気になったのです。3つめのクラスターもまた、夫と妻のクラスターでした。両ケースにおいて、人々は重篤な肺炎になり、臨床的にリンクされたのです。しかし、私が思うにこれらもまた、1ケースのみが確定しています。とはいえ、調査は続行中です。別のケースもまた積極的な調査が続けられています。それから、最新の北京の状況です。7歳の女の子がもう退院しましたが、近所に無症状の男性がいます。検査による調査が行われている最中ですが、彼も陽性のようです。しかし、子供は病気になりませんでした。
ジャーナリスト:不思議なんですが、北京と上海だけでなく、江蘇省など他の地域にも専門家はいかないのでしょうか?
マイケル・オライリー医師:我々は上海周辺には行きますが、1時間以上離れたところにはいかないというのが私の理解です。省庁がスケジュールを設定してくれています。実のところ、数日しかありませんから、その地域に集中するのです。
ジャーナリスト:あなたの推奨にも関わらず、人々はどのように反応すると思いますか?
マイケル・オライリー医師:我々には(解読不能)から分かっていますが、家禽に関連したアウトブレイクはたくさん経験しています。ときには、過剰な反応もあります。家禽についての心配、例えば、鶏肉を食べることです。すでに申し上げたように、感染源ははっきりとは分かりません。しかし、これは取り関連のウイルスで、多くの場合、全てではないにせよ、家禽との関連を示すことができるだろうというのが、我々の調査が示すところです。そういう反応はあるかもしれません。鶏肉を食べることについては、問題が沈静化することを望んでいます。鶏肉がきちんと調理されれば問題はないのですから。現時点で、病気になった家禽を見つけていないのはちょっと不可思議なことです。調査の一環として検査が行われました。8万以上の鳥が検査されましたが、陽性になったのは40以下でした。そうした鳥も病気ではありませんでした。過去の調査とはちょっと異なっているようです。そのときは家禽にも重大な感染症が起きましたから。
ジャーナリスト:中国ラジオ・インターナショナルの者です。質問が2つ。一つ目は、火曜日に、香港健康機構が限定された人人感染があるかもしれないと言いました。これについてコメントがありますか?二つ目。このチームが上海の鳥市場に行く前に、他にどこに行くのですか?検査室とか、病院とかは?
マイケル・オライリー医師:はい、確かに。限定された人人感染については、3つのクラスターが調査中だと申しました。基本的に動物から人に感染するウイルスだとしても、まれに強い濃厚接触者に感染するのは普通ではありません。しかし、これは容易に、そして持続的に感染する状況とはとても異なります。それこそが、本件で見られていないケースなのです。もしある人が病気で、とても濃密なケアを受けているとき、ときに、それが他人に感染することは考えられないことではありません。しかし、それは持続的な人人感染とは異なるのです。ですから、それこそが我々がとても警戒していることなのです。もしウイルスが変化して、人人感染を起こすようになったら状況は一変するからです。今でも、そういう状況にはありません。将来もそうならないことを希望しています。しかし、これを監視しているのです。チームが訪問する場所についての質問ですが、、、はい、鳥市場はご存知のように、上海では閉鎖されました。ですから、たくさん見るところはないでしょう。しかし、チームは病院や感染の中心となった他の場所も訪問します。
ジャーナリスト:BBCニュースです。確認のために、このアウトブレイクのリスクが何なのか教えていただけますか?どのくらい深刻な問題だと思いますか?人人感染の懸念についてはおっしゃいましたが、最大の懸念は何だと思いますか?
マイケル・オライリー医師:もしウイルスが基本的に動物ウイルスのままであれば、人へのリスクは思うに、まれで散発的なままでしょう。これまでがそうであったように。ご存知のように、これはH5N1とは異なるウイルスなのです。もしかしたら最終的には異なる振る舞いをするかもしれませんが、H5N1は16年間も問題になっており、それでも単に時々の、散発的な報告しかありません。基本的には動物のウイルスで、ときどき人に飛びつくくらいなのです。申し上げた通り、状況は変化します。もし、ウイルスが変化し人人感染が可能になれば、です。現在起こっていることとは別の問題となります。これを予測することはできません。予測する方法はありません。しかし、現在観察しているのとは異なる突然変異を必要とするのは本当です。これまで置いていることには、そうしたエビデンスが皆無だからです。
ジャーナリスト:家禽を殺すことは勧めますか?その理由は?
マイケル・オライリー医師:すでにある程度殺されているようです、ご存知かも知れませんが。鶏における散発的なウイルスを管理するひとつの方法ではあります。ただ、興味深いことに、これまでのところ鶏ではごく僅かな陽性検査しか出ていません。それに、こうした鶏は健康なのです。殺すかどうかについては、とても難しい問題です。大きな経済的影響も及ぼすでしょうし、このことは場所によってはすでに懸念材料のようです。もし鶏間で容易にウイルスが伝播するのでしたら、確かにこのような方法は考えられるでしょう。
ジャーナリスト:今それをやるのは理にかなっていますか?
マイケル・オライリー医師:私が思うに、多くの場合、今これをやるのは早計です。もし、ある特定の鶏たちで、ウイルスが広がりリスクがあるなら、そういう場所では起こりえる話です。特定の場所で家畜を殺すのは感染伝播の広がりを防ぐのに適切です。これまで殺された家畜についても、全て間違いだったとは申しません。広範な殺戮は(聞き取り不可能)、鶏についてもっと情報が入ってからでしょう。現状が実際どうなのかをもっと知るため、待っているところです。
ジャーナリスト:AFPです。あなたは一同士の接触による感染がまれな事象だとおっしゃいました。私が最近読んだいくつかの報告では、感染者のおよそ半数は鶏との接触がなかったそうです。それは本当ですか?このような人たちはどのように感染したんでしょう。患者との接触したのがほんのわずかであるならば。
マイケル・オライリー医師:調査が進むにつれ、我々もいろいろなことが分かるようになりました。家畜と感染がまったくなかった人たちは半数以上だと今では分かっています。調査はしばしば困難で、全ての曝露を決定することができません。過去に起こったことを思い出す時はなおさらです。接触についてはこれまでの調査では、全ての情報をもっているわけではありません。そのため、決定的に鶏に(聞き取り不能)はより困難になっているのです。そして、我々はもっと情報が入るまで待つつもりなのです。
ジャーナリスト:ウイルスの別の事例から考えると、このウイルスは変異が早いようです。H7N9がすでに変異をしてしまったということは考えられませんか?
マイケル・オライリー医師:このウイルスが発見されてまだ3週間しか経っていません。この3週間で驚くほどいろいろなことが起きています。このウイルスについても相当量分かっています。遺伝子マッピングはとても素早く行われ、ウイルス学者と検査技師はこのウイルスが作られるのに、このウイルスが関連するもとのウイルスでおこなわれた最初のリアソートメントを特定しました。インフルエンザウイルスでは、常に継続的なアソートメントが行われています。それがインフルエンザの特徴の一つなのです。ですから、毎年我々は異なるインフルエンザワクチンを必要とします。ウイルスは常に変化しているからです。しかし、この3週間で大きな変化は起きていません。もちろん、将来については予測できませんが。
ジャーナリスト:上海の二つの家族内クラスターについてですが、本当に人人感染が起きたのでしょうか、それも調査中でしょうか。
マイケル・オライリー医師:まだ調査中です。しかし、はっきり申し上げるのはとても難しいです。同じ家族に二人いれば、両者に感染を確認されたとしても、それが一人がもう一人に感染したのか、同じ感染源から二人が感染したのかを区別するのは極めて困難で、あるいは不可能だからです。それが実に問題なのです。最終的に、決定的にこれを決める方法はありません。感染源を確定させない限り、本当のことは分からないでしょう。クラスターは懸念材料です。調査の対象にもなります。人人感染の可能性があるからです。しかし、申し上げたように、これはとても限定された事象です。まれな人人感染です。人パンデミックウイルスとして立ち現れるような、容易で持続的な感染ではないのです。現在のところ、これはまだ動物ウイルスで、ときに人に感染するのです。
ジャーナリスト:香港のTVBです。いくつか質問があります。さっきあなたはこの旅行が中国の開放性を示すものだと言いました。しかし、あなたはまた上海への旅行は限定されており、当局によって準備されたものだとも言いました。あなたが要請して、断られた場所はありますか?それと、香港の専門家の名前を公表することはできますか?
マイケル・オライリー医師:いいえ、我々が要請して、断られた場所はありません。旅程は健康省から提案されたものです。失礼、国立健康家族計画委員会でした。彼らが状況を理解しており、詳細を把握しており、チームは旅程に満足しています。我々がどこに行くかについても、すでに対話しています。というわけで、それは問題ではありません。我々は、彼らはどの地域を探索するにしても完全にオープンだと感じています。私は言いました。これが、我々の見解では、政府の開放性を示すものであると。国際チームを招待するにはとても早いのです。国際的な関心が強く、中国でもまた強いためだと思います。我々全てが、何が目的かはすぐにはっきりさせたいのです。というわけで、我々はこの件について真に協働しています。
ジャーナリスト:香港の専門家の名前をどのように知ることができますか?
マイケル・オライリー医師:すでに名前は公表されたと思っていました。マリック・ペイリスです。チームメンバーは、アメリカのCDC、メルボルンのラボ、それから(ヨーロッパ疾病予防管理センター)からです。
ジャーナリスト:あなたはベジタリアンでないと思いますが、中国で最後にチキンを注文したのはいつですか?
マイケル・オライリー医師:ああ、そんなことは躊躇しません。私はチキンを毎日、まあほぼ毎日食べています。それを変えようとも思いません。チキンを食べることは全然心配していません。
ジャーナリスト:おっしゃったクラスターのうち、H7N9が確認されたのは何人ですか?
マイケル・オライリー医師:確定的なのは、クラスターナンバー3で、私がとくに言及したものです。父親と弟のケース。父親は87歳で、息子は60台でした。父も弟も亡くなりました。父と生存した兄からウイルスが確認されました。弟の方は検査の前に亡くなっていました。初期のケースでした。ですから、そのクラスターからは2つの確定例です。他のケースは現在調査中です。ですから、はっきりしたことは申し上げられません。
ジャーナリスト:日本のテレビ局からです。この鳥インフルエンザの死亡率をどう見積もりますか?
マイケル・オライリー医師:まだ不明な問題の一つは、それがこの調査の主な目的でもありますが、実際起きている重症例を確定することです。我々は症例数を知っています。現在の総数は87で、17の死亡例です。その情報もみなさんは入手するでしょう。これはとても高い死亡率です。他にも患者が重篤な状態にいるのですからなおさらです。しかし、我々はこの一角を持つ氷山の大きさを知りません。私たちがはっきり知っている病気については、例えばポリオがそうですが、麻痺性ポリオ一例につき、100から200の軽症な、あるいは無症状のポリオ感染があることが分かっています。我々の知らない新しいウイルスもあります。分かっているのは、我々は1700人の濃厚接触者を調査し、すでに申し上げたクラスターをのぞけば、基本的に全てが陰性でした。そして、北京の4歳の男の子はまだ検査場におり、現在調査中です。しかし、現状では、おおざっぱにいえば、我々には分かりません。これが重篤な疾患で、ほとんどの氷山は顕在化しているのか?SARSがおおむねそうであったように?しかし、今回はSARSとは全然違いますよね。まだ見つけていないのは、無症状な、軽症例です。これが調査の最重要項目で、人への伝播は低レベルなのかを決定しなければなりません。ごくまれなケースをのぞき、そのようなエビデンスはこれまでのところないのです。
ジャーナリスト:確認したいのですが、その2つのクラスターの、父親と息子のほうは、本当にH7N9に感染したのですか?それとも病気なだけなのですか?確認はされていますか?
マイケル・オライリー医師:両者において、家族の一人はH7N)が確認されています。他の一人は臨床的に似ていますから、H7N)が推定されていますが、どちらのケースも二人目はまだ調査中だと思います。しかし、我々は再確認を行わねばならないと思います。日々情報に追われていますから。私は第二例について、それぞれのクラスターについて現在の状況を正確には知りません。しかし、2つの臨床的なクラスターがあり、それぞれのクラスターで一人が確定され、もう一人は臨床的に似ているのです。
ジャーナリスト:我々は騒ぎ過ぎなのでしょうか。
マイケル・オライリー医師:いいえ、今日ここにいる人でそんな人はいないです。こういうとき、懸念が生じるのは正当なことでしょう。これは正当な懸念です。次のパンデミックインフルエンザウイルスが、それはいまいるウイルスではありませうが、やってくるのがいつか我々は知り得ないのですから。それに対する抵抗力を持っていないのですから。何が将来起こるかは誰にも分からないのです。しかし、言わば間違った警告とでも呼ぶものもたくさん起きました。事象は起きるが、深刻化しなかった例です。この調査に置いてはまだ早期の段階です。近い将来ですら、何が起きるか予測するのは困難で、長期的にはなおさらです。懸念、警告と懸念、は不適切ではありません。しかし、我々はリアリスティックにならなければなりません。パニックになる理由はどこにもなく、現時点で過剰に心配する理由もどこにもありません。
更なる情報については、以下に連絡のこと
Ms Helen Yu
Communications Officer, WHO in China
Tel: +86 10 65327191
Email: [email protected]
Translated, with the permission of the publisher, from Human infection with influenza A(H7N9) virus in China- update, World Health Organization 2013, from Transcript of media briefing by Dr Michael O'Leary, WHO Representative in China
http://www.wpro.who.int/china/topics/h7n9_influenza/20130419/en/index.html accessed 22 April 2013
中国に置けるH7N9の最新状況
2013年4月19日 こんにちは。ようこそおいでいただきました。本日は、鳥インフルエンザA(H7N9)について最新情報を提供したいと思います。WHOと中国の協力体制についても少し触れ、質疑応答の時間も持ちます。
最初に、ミッションについて。今週、WHOと中国の国立健康家族計画委員会が、専門家たちの中心となる恊働派遣団となっています。これは中国政府の招聘によるものです。専門家たちはH7N9流行地を訪問し、状況を検証し、疾患の予防、制御についてアドバイスをします。
私もチームに参加します。上海と北京にあるいろいろな場所を訪問する予定です。
我々のチームには外国、そして中国の疫学、検査、診療、その他の専門家たちがいます。我々は様々な専門家にも会う予定です。
このミッションは現在進行中で、まだ報告するような発見に至っていません。最終的には、来週頭に北京に戻り、チームはそれぞれ見つけたことを議論し、最初の推奨を発表しようと思います。中国国立健康家族計画委員会は、ミッションの発見したことを後に発表すると言っています。
このチームの存在の重要性については特に強調しておきたいと思います。これは実施中の国際協調の具体的な一例なのです。これはまた中国が状況調査にオープンであることを示す一例でもあります。現在起こっていることに変化はなく、毎日散発的な症例報告がされ続けており、我々のリスクアセスメントそのものは変化していません。また、調査そのものにも懸念はなく、中国当局は調査の充分な能力を示しています。ご存知のように、情報は迅速に、各所から公表されています。我々はこの透明性にも協力体制にも満足しています。
さて、このミッションは国際インフルエンザ専門家が、この新しいウイルスについて最前線の人々の知見から学ぶ機会となっています。また、これは中国の地域専門家が、自分たちの疑問を世界の専門家たちにつなげる機会でもあります。公衆衛生の世界にはほとんど国境はありません。疾患はどのような国にも発生でき、国境など顧慮しないからです。インフルエンザ専門家たちの国際的なコミュニティーにおいて中国は重要な役割を演じていますが、これこそ「世界は一つ」という見方の好例なのです。
さて、他に議論することがあったでしょうか。みなさん、同じようなご質問をお持ちと思います。
例えば、ウイルスの発生源です。これまで分かったところでは、家禽が伝播の担い手になっているようです。しかし、疫学者たちは強固で明白なつながりを確立したわけではありません。しかし、いずれにしても適切に調理された鶏肉を食べて感染したのではないようです。こういう鶏肉は食べても安全と考えられています。
動物側から考えると、家禽や野鳥を何万も調べて、ほんの僅かなH7N9しか見つかっていません。豚からは見つかっておらず、病気の動物からも見つかっていません。H5N1とは対照的です。これは我々がもっとよく知っている鳥インフルエンザで、15年以上も我々は取り組んできたものです。このように動物における事情は異なり、感染源と目されるものも異なり、我々は未だ、感染源についてははっきりしないままです。
おそらく、まれな例外は別にすれば、人人感染は起きていないと我々には分かっています。H7N9感染者と濃厚接触のあった何百と言う人々、全ての医療者、ご近所、家族などですが、ほんのごく僅かだけが病気になりました。これらはごく僅かな疾患の集団(クラスター)であり、専門家が特別な注意を払っているものです。
今週、非常に悲しいケースを確認しています。父親と二人の息子のケースで、皆病気になり、父親と弟が亡くなりました。専門家は、父親と兄の両方の血液検査でH7N9が見つかったと言っています。こちらの息子の方は肺炎からもう回復しています。
ある人が他の人に疾患を伝播させていることはあるかもしれません。あるいは彼らみんなが同じ感染源から曝露したのかもしれません。はっきりしたことは申し上げられません。しかし、はっきりさせておきたいことは、人から人に感染が起こりうるか懸念は残るにせよ、そうやすやすと起きることではなさそうだ、ということです。でなければ、我々はもっとたくさんのこうしたケースを目にしているでしょう。我々はまだ、簡単で持続するような人人感染を見いだしていません。このことについては、我々は最も警戒していますから。
今後数日、こうした疑問にチームは焦点を当てています。我々にも知りたいことはたくさんあり、あなたがたもそうでしょう。ですから、我々はこの機会に、この問題に応じて最前線にいた人々と綿密に仕事をする機会を与えられたことを光栄に思っています。
我々の仕事は、さらに知識が得られたら、科学の業界、特別な問題に関係した人々に、この問題に注目している他の国に情報を提供し続け、直面しているリスクの分析をさらに深めることです。
その準備はまだ完了したわけではありませんが、我々はまたメディアにお話しする機会をえるつもりです。少なくともこのミッション終了のまえに一回はそうするでしょう。
このことは申し上げておかねばなりませんが、我々の公衆衛生上のアドバイスは、同じです。鶏肉はよく焼いて食べねばなりません。内部温度が摂氏70℃になるまで熱し、ピンクの部分があってはいけません。生肉を扱った調理器具は分けておき、清潔にしてから再度使用しなければなりません。定期的に手を洗わなければなりません。もし、病気の親戚を見舞っていたり、医療従事者であったのなら、感染管理方法をとって自らを守らねばなりません。
さて、少し質問を受け付けましょう。
ジャーナリスト:AP通信社です。このチームにどのような専門家がいて、どの地域に着目しているのか、もう少し詳細を教えてくれませんか。とくに、彼らは実際どこからくるのですか。それから、上海の家族集団発生以外の人人感染についても。他の症例も懸念事項だと思いますが?
ジャーナリスト:それと、専門家は何人いるのですか?
マイケル・オライリー医師:はい。専門家のチームについては、全部で15名からなっています。5人くらいは中国政府から、中国CDCからの仲間たちと、省庁からです。4人はWHOの専門家で、2人はここのカントリー・オフィスから、1人はマニラ支局から、2人はジュネーブ本部からです。ですから、5人のWHOスタッフが同行します。ジュネーブとマニラからはこの問題に関するトップの専門家たちです。国際的な専門家チームは4カ国からなっています。アメリカ(米国疾病管理予防センター)から。そこにはインフルエンザ協力センターがあります。他にも協力センターはオーストラリア・メルボルンにもあります。インフルエンザについては今回のミッションに、香港からの専門家もいます。この方も動物のウイルス学について相当な経験をお持ちです。それから(ヨーロッパ予防管理センターから)の疫学者と専門家。というわけで、WHOスタッフ以外の国際専門家チームは、ヨーロッパから、アメリカから、オーストラリアから、それから香港から、となります。
クラスターについては、二つ目の質問がありました。3つのクラスターが正式に報告されています。そのうち一つについては申し上げました。父親と二人の息子のケースです。そのうち二人、父親と亡くならなかった方の息子でH7N9が確認されました。これがクラスターの一つです。他にも一人の親と一人の子供のクラスターがあります。娘が非常に重症の親を看護していました。そして彼女自身もH7N9で病気になったのです。3つめのクラスターもまた、夫と妻のクラスターでした。両ケースにおいて、人々は重篤な肺炎になり、臨床的にリンクされたのです。しかし、私が思うにこれらもまた、1ケースのみが確定しています。とはいえ、調査は続行中です。別のケースもまた積極的な調査が続けられています。それから、最新の北京の状況です。7歳の女の子がもう退院しましたが、近所に無症状の男性がいます。検査による調査が行われている最中ですが、彼も陽性のようです。しかし、子供は病気になりませんでした。
ジャーナリスト:不思議なんですが、北京と上海だけでなく、江蘇省など他の地域にも専門家はいかないのでしょうか?
マイケル・オライリー医師:我々は上海周辺には行きますが、1時間以上離れたところにはいかないというのが私の理解です。省庁がスケジュールを設定してくれています。実のところ、数日しかありませんから、その地域に集中するのです。
ジャーナリスト:あなたの推奨にも関わらず、人々はどのように反応すると思いますか?
マイケル・オライリー医師:我々には(解読不能)から分かっていますが、家禽に関連したアウトブレイクはたくさん経験しています。ときには、過剰な反応もあります。家禽についての心配、例えば、鶏肉を食べることです。すでに申し上げたように、感染源ははっきりとは分かりません。しかし、これは取り関連のウイルスで、多くの場合、全てではないにせよ、家禽との関連を示すことができるだろうというのが、我々の調査が示すところです。そういう反応はあるかもしれません。鶏肉を食べることについては、問題が沈静化することを望んでいます。鶏肉がきちんと調理されれば問題はないのですから。現時点で、病気になった家禽を見つけていないのはちょっと不可思議なことです。調査の一環として検査が行われました。8万以上の鳥が検査されましたが、陽性になったのは40以下でした。そうした鳥も病気ではありませんでした。過去の調査とはちょっと異なっているようです。そのときは家禽にも重大な感染症が起きましたから。
ジャーナリスト:中国ラジオ・インターナショナルの者です。質問が2つ。一つ目は、火曜日に、香港健康機構が限定された人人感染があるかもしれないと言いました。これについてコメントがありますか?二つ目。このチームが上海の鳥市場に行く前に、他にどこに行くのですか?検査室とか、病院とかは?
マイケル・オライリー医師:はい、確かに。限定された人人感染については、3つのクラスターが調査中だと申しました。基本的に動物から人に感染するウイルスだとしても、まれに強い濃厚接触者に感染するのは普通ではありません。しかし、これは容易に、そして持続的に感染する状況とはとても異なります。それこそが、本件で見られていないケースなのです。もしある人が病気で、とても濃密なケアを受けているとき、ときに、それが他人に感染することは考えられないことではありません。しかし、それは持続的な人人感染とは異なるのです。ですから、それこそが我々がとても警戒していることなのです。もしウイルスが変化して、人人感染を起こすようになったら状況は一変するからです。今でも、そういう状況にはありません。将来もそうならないことを希望しています。しかし、これを監視しているのです。チームが訪問する場所についての質問ですが、、、はい、鳥市場はご存知のように、上海では閉鎖されました。ですから、たくさん見るところはないでしょう。しかし、チームは病院や感染の中心となった他の場所も訪問します。
ジャーナリスト:BBCニュースです。確認のために、このアウトブレイクのリスクが何なのか教えていただけますか?どのくらい深刻な問題だと思いますか?人人感染の懸念についてはおっしゃいましたが、最大の懸念は何だと思いますか?
マイケル・オライリー医師:もしウイルスが基本的に動物ウイルスのままであれば、人へのリスクは思うに、まれで散発的なままでしょう。これまでがそうであったように。ご存知のように、これはH5N1とは異なるウイルスなのです。もしかしたら最終的には異なる振る舞いをするかもしれませんが、H5N1は16年間も問題になっており、それでも単に時々の、散発的な報告しかありません。基本的には動物のウイルスで、ときどき人に飛びつくくらいなのです。申し上げた通り、状況は変化します。もし、ウイルスが変化し人人感染が可能になれば、です。現在起こっていることとは別の問題となります。これを予測することはできません。予測する方法はありません。しかし、現在観察しているのとは異なる突然変異を必要とするのは本当です。これまで置いていることには、そうしたエビデンスが皆無だからです。
ジャーナリスト:家禽を殺すことは勧めますか?その理由は?
マイケル・オライリー医師:すでにある程度殺されているようです、ご存知かも知れませんが。鶏における散発的なウイルスを管理するひとつの方法ではあります。ただ、興味深いことに、これまでのところ鶏ではごく僅かな陽性検査しか出ていません。それに、こうした鶏は健康なのです。殺すかどうかについては、とても難しい問題です。大きな経済的影響も及ぼすでしょうし、このことは場所によってはすでに懸念材料のようです。もし鶏間で容易にウイルスが伝播するのでしたら、確かにこのような方法は考えられるでしょう。
ジャーナリスト:今それをやるのは理にかなっていますか?
マイケル・オライリー医師:私が思うに、多くの場合、今これをやるのは早計です。もし、ある特定の鶏たちで、ウイルスが広がりリスクがあるなら、そういう場所では起こりえる話です。特定の場所で家畜を殺すのは感染伝播の広がりを防ぐのに適切です。これまで殺された家畜についても、全て間違いだったとは申しません。広範な殺戮は(聞き取り不可能)、鶏についてもっと情報が入ってからでしょう。現状が実際どうなのかをもっと知るため、待っているところです。
ジャーナリスト:AFPです。あなたは一同士の接触による感染がまれな事象だとおっしゃいました。私が最近読んだいくつかの報告では、感染者のおよそ半数は鶏との接触がなかったそうです。それは本当ですか?このような人たちはどのように感染したんでしょう。患者との接触したのがほんのわずかであるならば。
マイケル・オライリー医師:調査が進むにつれ、我々もいろいろなことが分かるようになりました。家畜と感染がまったくなかった人たちは半数以上だと今では分かっています。調査はしばしば困難で、全ての曝露を決定することができません。過去に起こったことを思い出す時はなおさらです。接触についてはこれまでの調査では、全ての情報をもっているわけではありません。そのため、決定的に鶏に(聞き取り不能)はより困難になっているのです。そして、我々はもっと情報が入るまで待つつもりなのです。
ジャーナリスト:ウイルスの別の事例から考えると、このウイルスは変異が早いようです。H7N9がすでに変異をしてしまったということは考えられませんか?
マイケル・オライリー医師:このウイルスが発見されてまだ3週間しか経っていません。この3週間で驚くほどいろいろなことが起きています。このウイルスについても相当量分かっています。遺伝子マッピングはとても素早く行われ、ウイルス学者と検査技師はこのウイルスが作られるのに、このウイルスが関連するもとのウイルスでおこなわれた最初のリアソートメントを特定しました。インフルエンザウイルスでは、常に継続的なアソートメントが行われています。それがインフルエンザの特徴の一つなのです。ですから、毎年我々は異なるインフルエンザワクチンを必要とします。ウイルスは常に変化しているからです。しかし、この3週間で大きな変化は起きていません。もちろん、将来については予測できませんが。
ジャーナリスト:上海の二つの家族内クラスターについてですが、本当に人人感染が起きたのでしょうか、それも調査中でしょうか。
マイケル・オライリー医師:まだ調査中です。しかし、はっきり申し上げるのはとても難しいです。同じ家族に二人いれば、両者に感染を確認されたとしても、それが一人がもう一人に感染したのか、同じ感染源から二人が感染したのかを区別するのは極めて困難で、あるいは不可能だからです。それが実に問題なのです。最終的に、決定的にこれを決める方法はありません。感染源を確定させない限り、本当のことは分からないでしょう。クラスターは懸念材料です。調査の対象にもなります。人人感染の可能性があるからです。しかし、申し上げたように、これはとても限定された事象です。まれな人人感染です。人パンデミックウイルスとして立ち現れるような、容易で持続的な感染ではないのです。現在のところ、これはまだ動物ウイルスで、ときに人に感染するのです。
ジャーナリスト:香港のTVBです。いくつか質問があります。さっきあなたはこの旅行が中国の開放性を示すものだと言いました。しかし、あなたはまた上海への旅行は限定されており、当局によって準備されたものだとも言いました。あなたが要請して、断られた場所はありますか?それと、香港の専門家の名前を公表することはできますか?
マイケル・オライリー医師:いいえ、我々が要請して、断られた場所はありません。旅程は健康省から提案されたものです。失礼、国立健康家族計画委員会でした。彼らが状況を理解しており、詳細を把握しており、チームは旅程に満足しています。我々がどこに行くかについても、すでに対話しています。というわけで、それは問題ではありません。我々は、彼らはどの地域を探索するにしても完全にオープンだと感じています。私は言いました。これが、我々の見解では、政府の開放性を示すものであると。国際チームを招待するにはとても早いのです。国際的な関心が強く、中国でもまた強いためだと思います。我々全てが、何が目的かはすぐにはっきりさせたいのです。というわけで、我々はこの件について真に協働しています。
ジャーナリスト:香港の専門家の名前をどのように知ることができますか?
マイケル・オライリー医師:すでに名前は公表されたと思っていました。マリック・ペイリスです。チームメンバーは、アメリカのCDC、メルボルンのラボ、それから(ヨーロッパ疾病予防管理センター)からです。
ジャーナリスト:あなたはベジタリアンでないと思いますが、中国で最後にチキンを注文したのはいつですか?
マイケル・オライリー医師:ああ、そんなことは躊躇しません。私はチキンを毎日、まあほぼ毎日食べています。それを変えようとも思いません。チキンを食べることは全然心配していません。
ジャーナリスト:おっしゃったクラスターのうち、H7N9が確認されたのは何人ですか?
マイケル・オライリー医師:確定的なのは、クラスターナンバー3で、私がとくに言及したものです。父親と弟のケース。父親は87歳で、息子は60台でした。父も弟も亡くなりました。父と生存した兄からウイルスが確認されました。弟の方は検査の前に亡くなっていました。初期のケースでした。ですから、そのクラスターからは2つの確定例です。他のケースは現在調査中です。ですから、はっきりしたことは申し上げられません。
ジャーナリスト:日本のテレビ局からです。この鳥インフルエンザの死亡率をどう見積もりますか?
マイケル・オライリー医師:まだ不明な問題の一つは、それがこの調査の主な目的でもありますが、実際起きている重症例を確定することです。我々は症例数を知っています。現在の総数は87で、17の死亡例です。その情報もみなさんは入手するでしょう。これはとても高い死亡率です。他にも患者が重篤な状態にいるのですからなおさらです。しかし、我々はこの一角を持つ氷山の大きさを知りません。私たちがはっきり知っている病気については、例えばポリオがそうですが、麻痺性ポリオ一例につき、100から200の軽症な、あるいは無症状のポリオ感染があることが分かっています。我々の知らない新しいウイルスもあります。分かっているのは、我々は1700人の濃厚接触者を調査し、すでに申し上げたクラスターをのぞけば、基本的に全てが陰性でした。そして、北京の4歳の男の子はまだ検査場におり、現在調査中です。しかし、現状では、おおざっぱにいえば、我々には分かりません。これが重篤な疾患で、ほとんどの氷山は顕在化しているのか?SARSがおおむねそうであったように?しかし、今回はSARSとは全然違いますよね。まだ見つけていないのは、無症状な、軽症例です。これが調査の最重要項目で、人への伝播は低レベルなのかを決定しなければなりません。ごくまれなケースをのぞき、そのようなエビデンスはこれまでのところないのです。
ジャーナリスト:確認したいのですが、その2つのクラスターの、父親と息子のほうは、本当にH7N9に感染したのですか?それとも病気なだけなのですか?確認はされていますか?
マイケル・オライリー医師:両者において、家族の一人はH7N)が確認されています。他の一人は臨床的に似ていますから、H7N)が推定されていますが、どちらのケースも二人目はまだ調査中だと思います。しかし、我々は再確認を行わねばならないと思います。日々情報に追われていますから。私は第二例について、それぞれのクラスターについて現在の状況を正確には知りません。しかし、2つの臨床的なクラスターがあり、それぞれのクラスターで一人が確定され、もう一人は臨床的に似ているのです。
ジャーナリスト:我々は騒ぎ過ぎなのでしょうか。
マイケル・オライリー医師:いいえ、今日ここにいる人でそんな人はいないです。こういうとき、懸念が生じるのは正当なことでしょう。これは正当な懸念です。次のパンデミックインフルエンザウイルスが、それはいまいるウイルスではありませうが、やってくるのがいつか我々は知り得ないのですから。それに対する抵抗力を持っていないのですから。何が将来起こるかは誰にも分からないのです。しかし、言わば間違った警告とでも呼ぶものもたくさん起きました。事象は起きるが、深刻化しなかった例です。この調査に置いてはまだ早期の段階です。近い将来ですら、何が起きるか予測するのは困難で、長期的にはなおさらです。懸念、警告と懸念、は不適切ではありません。しかし、我々はリアリスティックにならなければなりません。パニックになる理由はどこにもなく、現時点で過剰に心配する理由もどこにもありません。
更なる情報については、以下に連絡のこと
Ms Helen Yu
Communications Officer, WHO in China
Tel: +86 10 65327191
Email: [email protected]
Translated, with the permission of the publisher, from Human infection with influenza A(H7N9) virus in China- update, World Health Organization 2013, from Transcript of media briefing by Dr Michael O'Leary, WHO Representative in China
http://www.wpro.who.int/china/topics/h7n9_influenza/20130419/en/index.html accessed 22 April 2013
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