基本的には、原書をそのまま読むのが正当なやり方だと思う。サンフォードにしても、ポケットメディシンにしても、ハリソンにしても日本語訳を読むよりは原書で読んだほうが、いろいろな意味で、ベターだと思う。あくまでも個人的な意見で、ほとんど思い込みに近く、汎用性はないけれども。
ただ、これだけは訳本でよかった、、、という感じである。「あの」サパイラがついに日本語版になって登場だ。表紙もそのままだし、紙が工夫されていて(訳本にありがちな)分厚さもない。値段も上出来だとぼくは思う。
なんといっても日本語なのがいい。原書はほんと、読みづらかった。自分の英語力のせいなんだけど。シニカルな文章も多くてどこまで本気でどこまで皮肉なのか分からない。引用が高尚で元ネタが分からない。なかなか読み進めることができず、ついついベイツに逃げていた。
日本語でも内容そのものが簡単になったわけではないので、結局難しいのは難しいんだけど、はるかに読みやすくなったはずだ。たくさん解説の訳注もついたし。
それにしても、これは難産でした。翻訳も大変だったし、監訳も大変だった。監訳って(本当にやれば、の話だけど)実はとても難しいし大変なんです。原文読んで、和文読んで、直すんだから。でも、いままでの監訳が楽勝に思えるくらい、サパイラのそれは大変だった。こんなに直しを入れたのは初めてだ。各翻訳担当の皆さんもご苦労様でした。お疲れ様でした。
こんな素晴らしい企画に呼んでいただいた須藤先生と医学書院さんに心から感謝申し上げる。疲れたけど、やっただけのかいはありました。みなさん、ぜひ読んでくださいね。
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