著者献本御礼。
これは実に良い本だ。僕の好きなブレット形式で、簡潔な一文を並べることで要所をまとめている。金曜日の17時30分に開くにふさわしい本である。
文献も良質なものをそろえており、学的にも妥当性が高いが、随所に筆者のアティチュードも見られていてとても臨床的にバランスがとれている。冒頭に「体験に基づいた独りよがりな意見」と書かれているが、決してそんなことはなくて臨床的には妥当性の高い良質な判断が散りばめられている。「日本のガイドラインで「CRP陰性化まで抗生剤を続けること」と記述しているものがある。一定期間で抗生剤を中止してもいいのかどうか、必ず上級医と相談して決めるべきだと思う」18ページなど、エッジの効いた、一見、どう解釈して良いのか迷ってしまう文章も良いと思う。主訴、チャート、分からなかったら、疾患別解説という順番もまさに金曜午後的だ。
薬の使い方など、若干異論があるところもあるが、これだけ広範囲な診療領域を1人でまとめ、挿管の仕方まで微に入り細にわたって言及しているのだから、「まあいいか」という気にもなる。これは研修医の皆さんにはお勧めです。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。