学生さん、よくまとめました。要諦も抑えてあってよいです。
抗結核薬のまとめ
結核の治療に用いられる薬物は、第一次および第二次選択薬のいずれかに分けられている。第一次基本抗結核薬は結核菌に対して最も有効で、かつ短期療法において不可欠の薬物である。このカテゴリーに入る薬物としてrifampicin、isoniazid、ethambutolおよびpyrazinamideの4種がある。また、毒性が許容範囲で高い有効性を有する第一次補助的薬としてはrifabutin、rifapentine、streptomycinがある。streptomycinは第一次基本抗結核薬としてethambutolの代わりに使用することもできるがATS、IDSA*などはstreptomycinを第一次基本抗結核薬とは認めていない。以下に活動性結核の標準治療アルゴリズムを示す。
一方、薬剤耐性結核もしくは第一次補助的薬が使用できないときにのみ用いられる第二次抗結核薬としては、フルオロキノロン系薬のlevofloxacinやmoxifloxacin、アミノグリコシド系薬のamikacin、注射可能なポリペプチドであるcapreomycin、経口薬であるethionamide, cycloserine, para-aminosalicylic acid(PAS)などが挙げられるが、これらは第一次基本抗結核薬よりも効果の面で劣り、かつしばしば強い副作用を呈するため、使用する際は注意が必要である。以下に第二次抗結核薬の適応と治療方式を示す。
適応 |
初期強化期間 |
維持期間 |
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期間(月) |
薬物 |
期間(月) |
薬物 |
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治療失敗と再発 |
薬物感受性試験の結果により個別に決定 |
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INHとRIF耐性 |
全期間(12~18) |
ZEQ+S(または他の注射薬) |
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すべての1次薬に耐性 |
全期間(24) |
注射薬1剤+ethionamide, |
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cycloserine,Q,PASの内3剤 |
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Cf.標準再治療方式 |
3 |
HRZES |
5 |
HRE |
H: isoniazid、R: rifampicin、Z: pyrazinamide、E: ethambutol、S: streptomycin、Q:キノロン系薬1剤
*ATS:American Thoracic Society、IDSA:Infectious Diseases Society of America
参考文献・ハリソン内科学第3版 福井次矢・黒川清 監修 pp.1064~1067、1080~1087
・レジデントのための感染症診療マニュアル第2版 青木眞
・WHO Treatment of Tuberculosis: guidelines for national programmes 4th edition
・「結核医療の基準」の見直し2008 日本結核病学会治療委員会
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