うーん、オリジナルはきれいな表があったのに、上手く出せない、、、
1.どんな患者の場合、PCPを疑うか?
<症状> 乾性咳嗽、呼吸困難、発熱
●HIV患者(特にCD4+T細胞数が200/μl以下)…亜急性の経過で発症する
●非HIV患者:ステロイド、免疫抑制剤使用者・悪性疾患・骨髄移植などの臓器移植患者
・重度の栄養失調、未熟児など …急性に発症する
2.PCPの診断
上記のような患者に対し 胸部X線 (※1)
網状/粒状の浸潤影 正常
胸部CT (※1)
すりガラス状陰影 正常→除外診断はできないので
慎重に経過観察
誘発喀痰or BALによる染色 (※2)
陽性なら確定診断
【補助診断】→ PCR、β-D-glucan
PCR …Pneumocystis jiroveciiは環境中に存在する→陽性でも確定診断にはならない
⇔陰性的中率が高い(98.7%)ので除外診断に有用。
β-D-glucan…非HIV患者で、β-D-glucan WAKOで測定し、31.1pg/mlをカットオフ値とし
た場合、陰性的中率が高い(98%) →測定条件によっては除外診断に有用。
※1 胸部画像診断
胸部X線…典型的には肺門部周囲から両側性に広がる浸潤影。初期には正常の時も(10-15%)。
胸部CT …典型的には、びまん性で対称性の間質影。
※その他の非特異的な所見(結節状陰影、空洞)がある
→すりガラス影ではないからといってPCPを除外診断できない。
PCPでは気胸を生じることもある→HIV患者に生じた気胸ではPCPを疑う。
※2 誘発喀痰or BALによる染色
<染色>Pneumocystis jiroveciは培養困難なので染色は最も重要な検査
メテナミン銀染色(細胞壁を染色)、Wright-Giemsa染色(栄養体を染色)、
免疫蛍光染色(細胞壁・栄養体の両方を染色。感度・特異度ともに優れる。)etc
<検体>
・高張食塩水による誘発喀痰 …最も低侵襲で迅速に採取可能
HIV患者:特異度95%以上・感度56%⇔ 非HIV患者:菌数が少ないため、より確率が低い
・気管支内視鏡検査によるBAL …誘発喀痰で検出できない場合
PCPを予防されていない場合、感度95%以上⇔非HIV患者での感度は38-53%
→陰性でもPCPを除外診断できない
※Transbronchial lung biopsy …BALと同等以上の感度だが、気胸や出血のリスクあり
3.考察
症状・胸部画像などが非特異的なので、PCPを疑う場合、リスクファクターの有無が重要である。よって、発熱があり、乾性咳嗽や呼吸困難を訴える患者では、問診が第一である。特に既往歴・薬剤歴(ステロイド、免疫抑制剤の使用)・生活歴(HIV感染のリスクの有無)などに注意する。播種性に感染することもある(リンパ節・脾臓・肝臓)ので、全身の検索も行うのが望ましい。
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