中外医学社から献本。なんかいつの間にかシリーズ化しましたね。
クリティカルケアの領域も新刊本、訳書、定期購読誌が充実してきた。ここで新刊を出すとき、「私が類書を出すことに、果たして意味があるのだろうか」という問いと直面しなければならない。本とは独立して一意的に存在するものではない。類書との関係性があって、その本の立ち一が決めるのである(これはガイドラインにしても、抗菌薬にしても、医者にしても同じだ)。関係性を考えず、ただ書きたいことを書いて出版しても、それはただのme too bookになってしまう。
では、「意味のある」本になるためにはどうしたらよいか。
1.コンテンツを特権化させる(ようするに、誰も書いていない内容を書く)。
2.ターゲット・オーディエンスを特化させる。医学生対象、開業医対象、研修医対象、ナース対象などなど。
3.同じコンテンツ、同じターゲット・オーディエンスなのだが、「異なる声」でしゃべる。
3については少し補足する。メッセージを届けるためにはポリフォニーが重要だ。一人の人が怒鳴っていても、声は届かない。同じことをいろいろな声がしゃべることが大切である。語り口を変え、句調を変え、同じことをいろいろな人がしゃべる。これがメッセージの伝達につながっていく。
僕の考えだと「ICU/CCUの薬の考え方、使い方」の特徴は3にあると思う。音羽病院で長い間実践してきたクリティカルケアの実践知と学習知が結実され、「声」となって表出されているのだ。それは教科書を書くものの上からの声ではなく、現場で走り回っている人の横からの「声」である。
発展途上にある、日本のクリティカルケアにおいて、このような「声」の意義は大きいのではないか。本書を流し読み、その「口調」を体に感じ取り、僕はそんなふうに考えたのだった。
クリティカルケアの領域も新刊本、訳書、定期購読誌が充実してきた。ここで新刊を出すとき、「私が類書を出すことに、果たして意味があるのだろうか」という問いと直面しなければならない。本とは独立して一意的に存在するものではない。類書との関係性があって、その本の立ち一が決めるのである(これはガイドラインにしても、抗菌薬にしても、医者にしても同じだ)。関係性を考えず、ただ書きたいことを書いて出版しても、それはただのme too bookになってしまう。
では、「意味のある」本になるためにはどうしたらよいか。
1.コンテンツを特権化させる(ようするに、誰も書いていない内容を書く)。
2.ターゲット・オーディエンスを特化させる。医学生対象、開業医対象、研修医対象、ナース対象などなど。
3.同じコンテンツ、同じターゲット・オーディエンスなのだが、「異なる声」でしゃべる。
3については少し補足する。メッセージを届けるためにはポリフォニーが重要だ。一人の人が怒鳴っていても、声は届かない。同じことをいろいろな声がしゃべることが大切である。語り口を変え、句調を変え、同じことをいろいろな人がしゃべる。これがメッセージの伝達につながっていく。
僕の考えだと「ICU/CCUの薬の考え方、使い方」の特徴は3にあると思う。音羽病院で長い間実践してきたクリティカルケアの実践知と学習知が結実され、「声」となって表出されているのだ。それは教科書を書くものの上からの声ではなく、現場で走り回っている人の横からの「声」である。
発展途上にある、日本のクリティカルケアにおいて、このような「声」の意義は大きいのではないか。本書を流し読み、その「口調」を体に感じ取り、僕はそんなふうに考えたのだった。
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