昔から、B型肝炎は日本では垂直感染。水平感染は問題ではなく、慢性化もしないと言われてきた。だからユニバーサルワクチンはいらないと。それが、外国からジェノタイプAが入ってきたので、今は昔とは違うのだよ、、、という議論である。
http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.301_400/306Bkanen.html
Q6: B型肝炎の最近の問題点は何ですか?
A6: B型肝炎ウイルスには、A~Hまでの遺伝子があり、日本では慢性化しないCタイプのウイルスが大半でした。しかし、近年、わが国でも、性行為で感染し慢性化し易い欧米型のAタイプのウイルスが増加し、3割を占めるようになりました。Aタイプウイルス感染のB型肝炎では、慢性化して肝硬変や肝がんに移行し易いので、慢性化の可能性を考慮して治療する必要があります。
うーん、本当かな。と思う。
確かに、ジェノタイプAは増えている。性感染である。「急性肝炎後」慢性化しやすいのはAであろう。しかし、急性肝炎を起こさずにキャリア化する患者も多い。性感染でHIV感染のあった患者の共感染をみると、たしかにジェノタイプAは多いが、ジェノタイプCのキャリアも少なからずいる。かれらが母親から垂直感染され、たまたま偶然水平感染によってHIVキャリアになったとは少々虫の良すぎる説明のように僕は思う。ジェノタイプCでも(頻度は低くても)水平感染、そして慢性化は起きるのだと考えたほうが妥当である。B型肝炎ワクチンの議論は最近のジェノタイプAの増加で急展開した、、、というのは違うんじゃないだろうか?
と思うんだけど、反論があったら慎んで拝聴します。
HBVのジェノタイプAは慢性化しやすいですが、肝癌、肝硬変
になりやすいというのは間違っていますね。
慢性化の定義を6ヶ月以上、HBVを持ち続けているという
古典的な定義で考えるなら、ジェノタイプBでもCでも
慢性化というか感染源になり得るHBV保持者は沢山いますね。
HIVとの共感染では、ジェノタイプGが重症化し易く、
米国ではそちらの方が注目されているようです。
最近では、ジェノタイプBjがジェノタイプJと独立して
数え、10タイプと言い始めてもいるようです。
いずれにしても、アジアの中にある日本では、
HBVワクチンのユニヴァーサル投与を行った方が良い
と気づき、これまでの方策から方向転換するための
方便として、「昔とは違うのだよ」という理由付け
がいるのではないでしょうか?
投稿情報: 山元 泰之 | 2011/02/24 13:49