とにかく面白い本があり、今は暇さえあればこの翻訳に必死に取り組んでいる。電車の中でも席さえ空けばパソコン出してかつかつ翻訳している。むかしは原書を横目にちらちら訳すので効率も悪かったし、場所も選択的だったが、今はもと原稿をPDFにして、エディターと英辞郎とブラウザーを開いておけばがんがん翻訳できるのでとても効率が良くなった。
BGMには平松大阪市長と内田樹先生の教育談議を聴いている。内田先生はめったにテレビに出演されないが、ネットTVならOKなのですね。僕は声だけ聴きながら翻訳を進めるのだけど、話が面白すぎて、ちょっとBGMにはふさわしくなかったかも。
ながら仕事が効率が良いか、という議論はよくある。たしかいつかのビジネス英語のビニエットもそうだった。これは、it dependsというところだろう。
歩いているときはiphoneでpodcastを聴く。二倍速で聴く。NEJMや日経ヴェリタスの情報はこのようにして入れる。これは「ながら」でできる。ただし、落語を聴くときは倍にしても意味がないので、通常速度で聴く。落語の目的は「情報収集」ではないからだ。絵画を鑑賞するスピードを倍にしたり、デートの時の歩行速度を倍にするようなものである。そういうのは時間効率を上げても下手な時間の使い方だ。
ジョギングするときは、シカゴのボードレビューコースを流す。これも「ながら」でできる。これも2倍速でやってみたが、頭にうまく入りにくかったので正常速度に戻している。速報性のあるNEJMなどは倍速でもいけるが、コンセプトを考えたり構築するボードレビューは、音だけだと倍速は僕には速すぎる。ただ、電車の中でシラバスを見ながらであれば倍速でもOKだ。シラバスも今はPDFでiphoneで見ている。ipadも欲しいけどもう少し我慢。
ipadが普及すれば、意味のないシラバスもどんどん減っていくだろう。ALSOの研修を受けたときは全部PDFでパソコン見ながら講習を受けた。来月の指導医講習会の資料も本当はPDFにしたいのだけど、まだ紙ベースにせざるを得ない。来年からはパソコンかipadみたいなものに統一して紙は廃止したいものだ。
料理を作ったりするときもよくどうでもよいB級映画を流す。昨夜は「私を愛したスパイ」だった。これは結構好きな映画であるが、いつも「ながら」で見ているので筋が未だに分かっていない。
格闘シーンが多いジェームズボンドムービーはちょっとよくないということで、つぎに小津安二郎の「秋刀魚の味」を流した。そしたら集中してしまって結局映画を最後まで見てしまった。小津映画は「ながら」では見れない。もちろん倍速なんかにしたら台無しだ。
秋刀魚の味は思い出深い映画で、僕が生まれて初めて見た小津映画である。しかも、それは19歳の時で、場所はイギリスであった。小津映画特集をBBC2かなにかでやっていたのだ。孤独なイギリスのホームステイ生活で、小津映画を見た僕はものすごいホームシックになったものだ。画面にある「日本」なんて全く知らないにもかかわらずである。あのときくらい自分が日本人であることに自覚的であった瞬間はかつてなかった。今もない。
小津映画は似たものが多いのでこんがらがっちゃう。このまえ内田先生に「秋刀魚の秋は、、、」と思わず間違えてしまい、即座に訂正されてしまった。麦秋や秋日和とぐちゃぐちゃにしていたのですね。
さて、もすこしがんばってごりごり翻訳しながら、内田先生のご機嫌トークを聞くことにしよう。あ、逆だった。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。