レジデントノートにクオンティフェロンについて書いたが、名称はややこしくてわかりにくい。
従来のQFT(QFT-2G)はESAT-6とCFP-10という2種類の抗原を用いて検査していた。近年、これに新たな抗原TB7.7を加え、検体処理実務も容易になったQFTゴールド(QFT-G)が発売された。両者をIGRAs(Interferon-Gamma Release Assays)とも呼ぶ。
さらにややこしいことに、海外の文献に出ているQuantiFERON-TB Gold,
略してQFT-Gというのが日本におけるQFT-2Gのことである。QuantiFERON-TB Gold In-Tube test (QFT-GIT)というのが日本におけるQFT-Gである。なぜin-tubeというかというと、従来ウェル上で行っていた検査をすでに抗原の入ったチューブの中でやっているから、という分かりやすい理由のためである。米国ではこの他にT-SPOT.TB test (T-Spot)というIGRAも用いられていてややこしいことこの上ない。文献を吟味する際にこんがらがらないように注意しよう。以下の議論は日本での呼称を用いて行う。
日本の名称 海外での名称
クオンティフェロン(R)TB-2G(QFT-2G) QuantiFERON-TB Gold(QFT-G)
クオンティフェロン(R)TBゴールド(QFT-G) QuantiFERON-TB Gold In-Tube test(QFT-GIT)
さらにさらにややこしいことにこのQFT-G(QFT-GIT)にQFT 3Gという俗称がついて回っている。ネットで探すと公式な文書にもこの3Gが使われていることもあって、ますます分からない。日本ビーシージーに確認したが、これは正式名称ではない。どうも「あの」電話のイメージでついた名前だろうか(想像です)。あの電話に倣って、早く「4」を出すのが一番すっきりする方法(かな)。
というわけで、今度出るレジデントノートの原稿には一部間違い(本当は間違いではないのだけれど、間違いではないのか、と突っ込まれる恐れのある部分)がある。あらかじめご報告し、言い訳させてください。
紛らわしいですよね。
名前をつける時、周りの状況と名づけた後の影響が見えてないから、このような事態になるのでしょう。
医療用医薬品でも似たような名前の薬もあるみたいですが、
事故防止のため、名称変更を検討されている事例も有ります。
名前をつけるのは難しいですね。
投稿情報: 伊右衛門 | 2010/12/07 11:46