夏休みだったので8月9月はジャーナルクラブはお休みしていた。で、再開したのだが、おそろしいくらい研修医は論文が読めなくなっている。普通、プロなら「オフ」の期間でも自主トレくらいするものだ。まだまだ甘い。
Sepsis in General Surgery Arch Surg 2010;145:695-
一般外科手術後の敗血症についての後ろ向きのスタディー。血培陽性で敗血症、臓器障害があればseptic shockと定義。36万人を調べて8350人に敗血症。2.3%。ショックは5977人。1.6%。比較の仕方がいちいちおかしな論文。緊急手術の場合は敗血症は多いが、オペ時に敗血症があったかは不明。30日死亡率は敗血症なしで1%、敗血症で5.4%、敗血症性ショックは33.7%、PEで9.1%、MIで32%。PEやMIよりも敗血症性ショック(この場合は臓器障害を伴う敗血症の意味だが)のほうが怖い、、、と結論づけてよいかは交絡因子が多すぎて不明。
A Phase III equivalence trial of azithromycin versus benzathine penicillin for treatment of early syphilis. JID 2010;201:1729-
外来でペニシリンが使えないときに梅毒に何を使うかは悩みどころ。HIV陰性の早期梅毒が対象。6ヶ月後のRPR4倍以下が治癒の定義。アジスロマイシン非劣性。
One hundred and twelve infected arthroplasties treated with “DAIR” (debridement, antibiotics and implant retention): antibiotic duration and outcome
人工関節感染の治療について112人を後ろ向きにレビュー。点滴抗菌薬は4週くらい。内服はだいたい12ヶ月。平均2.3年フォローして18%治療失敗。リスクを高めるのは関節鏡(オープン・サージェリーの方がよい)、黄色ぶ菌、人口関節置換を繰り返した場合がリスク。4ヶ月以内に経口抗菌薬とめるとよくない。4週間以上点滴、、、というのは必要ないかも。
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