SENICでの適正な感染管理プラクティショナーの数は250床にひとり、オランダなら160人くらいでひとりだ。確かに、感染管理者の数は重要である。
しかし、最重要な問題ではない。
沖縄県立中部病院はながく遠藤和郎先生ひとりがリンクナースと協働して感染管理をされている。ドクター一人でも、スーパードクターだと全然パフォーマンスが違う。
他方、全然感染症の訓練も受けず、知識もない「なんちゃって」感染管理委員長は全国にあまねくいる。というよりこちらのほうがマジョリティーであろう。数あわせをしてもなんの意味もないのである。
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009050001.html
繰り返すが、今回の事件は長年にわたる厚労省のコンプレーセンシー(無関心)に遠因がある。
>厚労省の担当者は「院内の医師や看護師らに重大性が伝わっていないのは伝え方に問題がある。情報共有が形だけになっていた可能性がある」と話している。
みたいな文を読むと、「評論家面して、自分は関係ないみたいにいうなよ」と僕はむかつく。
http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY201009040135.html?ref=recc
>都医療安全課の田中敦子課長は「同規模の病院であれば、多いところで専従職員を3人おいている病院もある」と話した。厚生労働省の担当者も「この規模の病 院で院内感染対策の専任医師が1人というのは少ない。対策に力を入れている同規模の病院では、感染対策に携わる医師が5、6人いるところもある」と指摘す る。
うそつけ、どこの病院に感染症の医師が5人も6人もいるというのだ。神戸大の感染制御部のドクターは2人(荒川先生、阿部先生)だぞ。ICNも感染症専門医も1000人くらい(このうち実地訓練を受けた感染症専門医はごくわずか)。日本の病院がいくつあるというのだ。あとは水増ししたなんちゃってICDが大量にいるだけだ。医療機能評価ではあるまいし、ICDが200人くらいそろえば満足なのだろうか(3回講習受けるだけなので、その気になれば病院の医師全員ICDにすることだって可能です)。そういう問題ではないだろう。
内実も理解せずに、数あわせばかりしてどうするというのだ。
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