朝、NHKラジオのニュースを聞いていたら(もう最近はテレビのニュースも見る気が失せています。いよいよスポーツ以外は何も見なくなってしまった)、サッカーワールドカップ、ここまで負けが続いていますが、なんとしても選手にはがんばって欲しいですね。とアナウンサーがコメントしていた。
なんとしてもがんばる、ではだめなのだ。がんばるのは当たり前だ。4年に1度の祝祭である。みな全力でがんばるに決まっている。プロなんだし。
新型インフル総括会議の議事録が丁寧に作ってあるので、ぜひ読んでください。こんなに丁寧につくんなくても、、と思っていたが、なるほど臨場感があってよい。これなら、インターネットで会議そのものをYouTubeに公開した方が良いんじゃないかとすら思う。文字起こしして、議事録作るの、大変でしょう。ご苦労様、大変だなあ、偉いなあ、と思う一方で、「無駄だなあ」とも思う。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/info_local.html#section04
どうしてこんなことを書いているかというと、まとめの報告書が見事に骨抜きだからである。たとえば僕は感染症法、予防接種法の改正、感染症情報センターのCDC(らしきもの)への進化を具体的に何度も提言しているが、「報告書」には見事にそのような文言は抜けており、代わりに「法制度について検討する」といった言葉に転じられている。だから、議事録をそのまま読んでくれた方がよい。新しい厚労大臣がだれになるのか知らないが、その人にも読んで欲しい。報告書じゃなく、議事録を。
「検討する」ことが目標になってどうするんだよ。検討するのは当たり前で、その後どうなるかが問題なのに。検討する、とか議論する、ことを「目標」にすると、結果どんなに尻すぼみになったってだれも文句は言わないわけだ。
ヴィジョンとは具体的に目に見えるように誰の目にも分かる目標をいう。だから、visionというのだ。現行の報告書(案)を読んでも具体的にどうなるのかがよく見えない。人によって「何とでも解釈できる」文章になってしまっている。そういうメッセージのわかりにくさが2009年の大きな障壁になった、と会議で何度も言われているのに、同じことをやる。不思議だ。
まあ、民主党政権みたいにできないことをぶち上げてあとでどんどん撤回するよりもよい、という意見はあるかもしれない。でも、できるかできないか分からないところで 目標を立て、挑戦し、そして失敗することは、目標すら立てないよりもよほど立派な態度だと僕は思う。挑戦して失敗し、敗れたことを非難するのはおかしいの ではないか。「なぜ」失敗せざるを得なかったのか、その点を論じるべきなのではないか。あるいはでは、どのようにすれば「成功」するのか、あるいは何をもって成功と呼べるのか?こういう話は既存のメディアからはでてこない。もちあげておいて、叩く。トスしてアタック。日本のメディアはバレーボールみたいだ。
そう言う意味では岡田監督個人を責めるのはおかしいなあ、とちょっと反省した。世界レベルのチームで世界レベルの戦いを経験していない監督が、世界で勝つことに必死で挑戦しているのである。それはそういう経験のない人物には大変なチャレンジだ。外国に行ったこともないのにいきなりエベレストを制覇せよ、というようなものだからだ。だから、批判すべきは岡田監督と言うよりも、そういう人事にいたってそのまんまにした協会のほうにある。
カメルーンもデンマークもオランダも、予選リーグ突破は具体的な目標だ。そのためには、必ず日本からは勝ち点3を奪うプランしかないはずだ。98年のフランスとはそこが違う。フランスの時は同グループにジャマイカがいた。アルゼンチンもクロアチアもだから、それほどエンジンをかけずに「流していた」。日本で引き分けてもジャマイカで勝てば十分予選突破は計算できたのだ。だから日本は善戦できたのである。しかし、今回はそのようなアンダードッグは日本だけだ。だから、どのチームも「他で負けたり引き分けても、日本にだけは勝たなきゃいけない」と思っている。そんな彼らに勝つのは、今の日本では極めつけに難しい。日本のエース本田はロシアのリーグでは活躍できるが、プレミアリーグやセリエAのトップチームのエース級をそろえたチームの前では「ただの一選手」に過ぎない。中田のときもそうだったが、日本代表選手の相対評価が甘すぎるのである。日本は個の力に頼っていては世界で勝てないので、コレクティブにやるしかないのだ。それは2002年に韓国がやったことだ。オシムがずっと言っていたことだ。もう今更言ってもぐちになるだけだが。
いずれにしても、ワールドカップは4年に1度の祝祭だ。楽しむに限る。確かに、近年クラブチームの方がレベルは高いのだけど、通常提供されすぎていて「け」のイベントになってしまっている。ワールドカップはいまだ「はれ」の舞台であり、その高揚感、空気がもたらすものはまた違う。4年前のドイツの盛り上がりは今でも思い出す(その後のものすごいもりさがりも、、、)。ここ数回、各国の予選を全然見ていないので優勝チームの予測が全く出来ない。昔のメンタリティーのままで、情報のないまま楽しめる、ということで。
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