カンボジアにいます。ここ数年、カンボジアでもmelioidosisの存在が注目されています。僕がカンボジアに行きだした2005年にはその存在すら分からなかったのです。結核と間違えられていたのですね。検査をできる医療機関が少しずつ増えてきたのが診断の理由でしょう、、、
僕も本物の患者さんは初めてなのでまとめてみました。mdconsultがあると便利です。カンボジアも進んでいて、ホテルに無線LANがあります。むかしはネットつなげるのも一苦労だったり停電したりしましたが、、、、写真はホテルのすぐ横にあるトンレサップ川
melioidosis サマリー。マンデル 7th ed. powered by OmniOutliner 19.1.2010
- 221 – Burkholderia pseudomallei and Burkholderia mallei : Melioidosis and Glanders
- Burkholderiaにあいろいろいる。
- 3つだけが人や動物に病気を起こす。
- former cepacia complex
- pseudomallei
- 類鼻疽 melioidosisの原因
- mallei
- 鼻疽 equine glandersの原因
- 好気性、芽胞非産生性、カーブのあるグラム陰性桿菌。昔はPseudomonasだった
- Melioidosis
- 人と動物に疾患を起こす。
- 臨床像はたくさん
- 無症状から皮膚潰瘍、膿瘍、慢性肺炎(結核みたい)、敗血症性ショック
- 初感染も再活性も起こる。62年後に再活性も
- 東南アジアと北オーストラリアに多い。
- 旅行者も
- バイオテロにも?
- 歴史
- WhitmoreとKrishnaswamiが1912年にビルマ、ラングーンでモルヒネ中毒患者の敗血症を記載
- 乾酪性浸潤影?多臓器、皮下の膿瘍。
- Burkholderia malleiに似ているが、可動性あり
- Stanton, Fletcherがmelioidosisと命名ギリシャ語でmelisはロバのジステンパーの意味。
- 病原体は、Bacillus whitmori, P. pseudomalleiからBurkholderia pseudomalleiに 1992年。
- 病原体
- 小さなグラム陰性桿菌。オキシダーゼ陽性可動性あり。安全ピンパターン。通常の培養で生えるが、cepacia, P. stutzeriなどと間違えやすい。土壌や水にある。皮膚、吸入、摂取にて感染。
- 疫学
- マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアで記載。特にタイに多い。年間2000−3000例
- 他にも中国とくに香港、台湾、ブルネイ、ベトナム、ラオスで。カンボジアやフィリピンでも。インドでも、、、ペストと間違えた?スリランカ、バングラデシュ、パキスタンでも報告あり。あとは、パプアニューギニア、フィジー、ニューカレドニアなど
- 中東、アフリカ、カリブ海沿岸、中央南アメリカも例えば、ブラジル。
- 温暖化が増やしている?
- 1970年代、パリの動物園で動物に
- インドシナにいたフランス人、ベトナム戦争のアメリカ人にも。Vietnamese time bomb
- 感染経路
- 田んぼや農場に多い。
- バイオフィルムの関与?
- 雨期に多い
- 経皮感染がほとんど
- 摂取、性感染も時に
- 血行性に肺に?
- 溺水時に感染も。
- 潜伏期は24時間から21日が大多い。急性の場合
- 病態生理
- ほとんどは不顕性感染
- 糖尿病、アルコール依存、腎不全で発症しやすい。
- あとは慢性肺疾患、サラセミア、悪性疾患、ステロイド、鉄過剰、結核
- ヒトヒト感染はきわめてまれ
- 遺伝子によって病原性が異なる(かも)
- 細胞内寄生。白血球内にも。これが潜伏に関与か。あとはバイオフィルム
- 臨床症状
- 体中の膿瘍
- 無症状、皮膚潰瘍のみなど局所の賞状
- 急性、亜急性、慢性
- 死亡率は細菌血症で19−60%
- 肺炎は多い。
- 敗血症
- 結節像
- 空洞性病変
- 咳、痰、呼吸困難、多発浸潤影
- 上葉に多いが、下葉もOK
- 他に泌尿器、骨髄炎、関節炎、神経所見も、、、
- Clinical Presentations and Outcomes of Melioidosis in Northern Australia
Total Bacteremic Nonbacteremic
Parameter No. Deaths (Mortality) No. Deaths (Mortality) No. Deaths (Mortality)
Septic Shock 111 59 (53%) 99 49 (49%) 12 13 (81%)
Pneumonia 85 44 (52%) 75 36 (48%) 10* 8 (80%)
Genitourinary 9 5 (56%) 8 4 (50%) 1[†] 1 (100%)
Osteomyelitis, septic arthritis 4 2 (50%) 4 2 (50%) 0 0 (0%)
No focus 13 8 (62%) 12 7 (58%) 1 1 (100%)
No Septic Shock 403 17 (4%) 181 13 (7%) 222 4 (2%)
Pneumonia 177 9 (5%) 78 8 (10%) 99 1 (1%)
Genitourinary 64 2 (3%) 39 2 (5%) 25 0 (0%)
Skin abscess(es) 64 0 (0%) 1 0 (0%) 63 0 (0%)
Soft tissue abscess(es) 14 0 (0%) 1 0 (0%) 13 0 (0%)
Neurologic 14 3 (21%) 3 0 (0%) 11 3 (47%)
Osteomyelitis, septic arthritis 12 0 (0%) 6 0 (0%) 6 0 (0%)
Other 58 3 (5%) 53 3 (6%) 5 0 (0%)
Total 514 76 (15%) 280 62 (22%) 234 14 (6%)
Updated from Currie BJ, Fisher DA, Howard DM, et al. Endemic melioidosis in tropical northern Australia: A 10-year prospective study and review of the literature. Clin Infect Dis. 2000;31:981-986.
- 慢性期には結核そっくり。熱、体重減少、咳、上葉の浸潤影、空洞。何年も再発も。ただし、このグループの死亡率は低い。
- CTは膿瘍見つけるのに有用
- B. pseudomalleiはコロニーである事もある。
- 小児では可能性耳下腺炎。ただしオーストラリアではまれ。
- 脳幹脳炎、脳神経麻痺など MRIが特徴
- 他にも大動脈瘤、リンパ節炎、縦隔腫瘤、心外膜炎、副腎膿瘍など
- 再活性はじつはアンコモン
-
- 診断
- 培養
- 血培ボトルでもけっこう生える。他のと間違える事はある。
- Ashdown培地はゲンタマイシンを含む液体培地。選択培地として使える。
- グラム染色、オキシダーゼ、耐性検査でだいたい分かる。
- 治療
- ペニシリン、アンピシリン、第一、第二世代のセフェム、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ストレプトマイシンに耐性
- 以前はクロラムフェニコール、ST、ドキシの併用だった。6週から6ヶ月。
- STやドキシだけでもけっこうOK.
- 最近では、セフタジジム、イミペネム、メロペネム、ピペラシリン、アンピシリン・クラブラン酸、セフトリアキソン、セフォタキシム感受性あり、
- Antibiotic Therapy for Melioidosis
Initial Intensive Therapy (minimum of 10-14 days)
Ceftazidime (50 mg/kg, up to 2 g) every 6 hr
or
Meropenem (25 mg/kg, up to 1 g) every 8 hr
or
Imipenem (25 mg/kg, up to 1 g) every 6 hr
With or without
Any one of the three may be combined with
Sulfamethoxazole-trimethoprim (40/8 mg/kg up to 1600/320 mg) every 12 hr (recommended for neurologic cutaneous, bone and prostatic melioidosis)
- Eradication Therapy (minimum of 3 mo)
- Sulfamethoxazole-trimethoprim (40/8 mg/kg up to 1600/320 mg) every 12 hr
With or without
Doxycycline (2.5 mg/kg up to 100 mg) every 12 hr
- セフタジジムは死亡率下げる。STと併用してもよい。神経、皮膚、骨、関節、前立腺があれば
- アモキシシリン・クラブラン酸もOKだが、eradicationとしては少しダメ
- カルバペネムもセフタジジムより良い?
- 初期治療は10−14日 朝kちりょうもOK.
- 治療の反応は遅く、9日くらい。もっと遅い事も。
- eradicationも大事。12週間かそれ以上。
- オーグメンチン、キノロンはだめ。ただし、妊婦にはOK.
- ドキシサイクリン単独もだめ。併用ならOK.
- STがだいじ。
- あとはドレナージやGCSFなど
-
- 予防も大事。糖尿病の旅行者、検査室。バイオテロなど。
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