5年生ががんばってまとめてくれた呼吸音のまとめ。1回だめ出し出されましたがとてもよいものになって返ってきました。
呼吸音
3B 班
wheeze
米国胸部疾患学会(ATS)においては、wheezeは連続性、楽音様の高調音(400Hz以上)を、rhonchusは低調音(200Hz以下)を表している。病態生理学的には同一のものであり、両者を区別する臨床的意義はない。イギリスでは、wheezeをHigh-pitched wheeze、rhonchusをLow-pitched wheezeと表している。
また、rhonchusという語は、気道分泌のある患者で聴取される非連続性の粗い音を指すことが多いため、使用は控えるのが望ましい。
鑑別点として、音の長さ、ピッチ、そして大きさが挙げられる。この中で、長さとピッチは、気道閉塞の重症度により異なり、音の長さが長いほど、そして音のピッチが高いほど、気道閉塞の程度が重いことを示す。
一方、音の大きさは気道閉塞の重症度を反映しない。つまり、喘息患者の呼吸音が静かであることは、必ずしも好ましい徴候ではなく、患者が衰弱していて閉塞した気道を通して息を出せない、ということを示している可能性もある。
・病因
一般的に吸気よりも呼気でよく聴取され、気流が制限されたときに起こる気道壁の振動を反映する。気道攣縮、気道浮腫・虚脱、新生物や分泌物による気道内腔の閉塞などによって引き起こされる。
・臨床的意義
unforced wheezeの、慢性閉塞性肺疾患に対する感度・特異度は、感度13~56%、特異度86~99%、陽性尤度比6.0であり、診断的意義があると考えられる。
また、メタコリン吸入試験で誘発されるwheezeの、気管支喘息に対する感度・特異度は、感度44%、特異度93%、陽性尤度比6.0であり、診断的意義があると考えられる。
どちらの場合でも、wheezeがみられなかった場合の診断的意義は小さい。
また、forced wheezeの所見は、強制呼気をさせられた場合にはほとんどの健常人でwheezeが聴取されるため、診断的意義に欠けている。
Crackles
wheezeと違うのは、断続性で、短いという点であり、fine crackleは弱く、高音で、非常に短い。coarse
crackleはやや強く、低音で、短いとされる。
・病因
呼気時に収縮していた小気道が、吸気時に急に広がるときに起こる一連の小さな破裂による。また、分泌物又は気泡の流れによっても起こるとされる。正常でもcrackleは最大呼気後に肺底部前面で聴取されることがあり、長時間側臥位になった場合も、下に位置する肺野でcrackleが聴取されることもある。
吸気早期のcrackleは、吸気時すぐに始まり、吸気終末までは持続しない。原疾患として慢性気管支炎や喘息が考えられる。
吸気終末のcrackleは、吸気の半ばから始まり吸気終末まで持続する。最初は肺底部で聴取され、悪化するにつれて、肺の上方へ広がって行く。さらに体位により聴取される領域が変化する。間質性肺疾患や初期のうっ血性心不全が考えられる。
Stridor
大きく明確に持続して聞こえる楽音。上部気道が閉塞し、径が5mm以下である事を示唆する。呼気に限局して聞こえ、頸部で最も良く聞こえる。wheezeと似ているが、wheezeは呼気優位で胸部にて聞こえるという点で鑑別する。
Pleural rub
胸膜摩擦音は、大きな摩擦音で、肋膜疾患を示唆する。パチパチという音で聞こえ
(”pleural crackling rub”)、crackleは呼気で優位に聞こえる。
※参考文献
・Evidence-Based Physical Diagnosis,
Saunders , 2001
(Steven McGee)
・ベイツ診断法 Bate’s Guide to
Physical Examination and History Taking,メディカルサイエンスインターナショナル ,
2008
(Lynn
S.Backley, 福井次矢・井部俊子監修)
・Harrison's Principles of Internal Medicine
17th ed. , McGraw-Hill , 2008
(Anthony S. Fauci, Eugene Braunwald,et al)
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