希代の、そして希有になりつつある本物の「ジェネラリスト」、内田樹先生の「日本辺境論」を読みました。こないだの福岡伸一さんとの対談もむちゃくちゃ面白かったですが(その後の飲み会も楽しかったです、、、)、活字になった本はまた別の楽しさがありますね。
辺境にある日本の日本人が、虎の威を借る狐として生きていくしかない現実。わざわざ愚かになっていく選択をあえてする日本人、という論理展開に脱帽です。これまでの「内田本」からの援用も多いですが、とにかく守備範囲の広い内田先生の化け物ぶりから、本書を一冊の本とする意味を感じました。
シラバスを作ってはいけない、教育目標も立ててはいけない、、、という論はJIMに掲載される僕との対談でも展開されています。ぜひ、ご一読ください。指導医講習会なんて(自分もやってますけど)ほとんど指導医の愚民化に過ぎない、と僕らが思っている根拠が明示されます。パッケージ化された馬鹿馬鹿しいモジュールをできあがった指導医に開陳する不遜な態度を取る前に、僕らはこの悩ましい教育について「分からないこと、できないこと」について語り合うのが筋なのです。「何でも分かってますよ」というしたり顔をする人は、絶対信用してはいけないのですね。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。