香港に行ったとき、データの収集とその分析がとても大切であることをいろいろ学びました。そして、材料はどこにでも転がっています。
名郷直樹先生の「臨床研究のABC」(面白い!!)には、厚生労働省統計表データベースシステムからいろいろ研究できることが指摘されています。現在、これはe-Statという政府系サイトに移行しており、いろいろ勉強できます。ここからcsvファイルを取り込んで、エクセルに読み込み、あれこれ調べてみるのです。
例えば、過去のパンデミックで日本人の粗死亡率にはどのような影響があったか。
これを見ると、スペインフルーののち、日本では粗死亡率ががんとあがっていることが分かります。よーく見ると、57年、68年のパンデミックでもちょびっとあがっているように見えなくもないですが、そのスケールは小さくてはっきりしません。
インフルエンザが原因の死亡データは見つかりませんが、肺炎で代用すると、やはりスペインフルーはインパクトが大きく、その後は小さくなっているのが分かります。
アメリカでも、インフルエンザの死亡率はパンデミックであってもなくても下がっていることが分かります。これは2008年の論文。予防接種の効果か、現代医療の進歩か、はたまた栄養状態の改善か、よく分かりませんが。
新型インフルエンザについて、我々はまだまだあまりに知らないことが多すぎます。手元のデータだけでもちゃんと見据えて、雰囲気でものを言ったり決めたりしないよう気をつけなくてはいけません。自戒も込めて、、、ですが。
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